勾留3年半の無罪判決 母親「子どもに触れられず、たくさん泣いた」
勾留3年半の無罪判決 母親「子どもに触れられず」 (03.03.2026)

勾留3年半を経て無罪判決 母親が語る苦悩と家族の支え

生後11カ月の長女に暴行を加え死亡させたとして逮捕・起訴されていた松本亜里沙被告(29)に対し、福岡地裁は2026年3月3日、無罪を言い渡した。判決後、取材に応じた被告は「ほっとしているとしか言えない」と心境を語った。

3年半に及んだ勾留生活の苦しみ

2022年2月に福岡県警に逮捕されてから、2025年8月に保釈されるまで、被告の勾留期間は3年半に及んだ。被告は「異例とも知らず、仕方がないのかなと思って生活していた」と当時を振り返る。

最も辛かったのは子どもとの接触制限だった。逮捕前、死亡した笑乃さんのきょうだいが生まれていたが、拘置所ではアクリル越しの面会しか許されず、直接触れることは一切できなかったという。

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「子どもに経験させたくないことだった。なんでなんだと悔しく、たくさん泣いた。あまり言いたくないが、許せない」と被告は感情を露わにした。

家族の支えが心の支えに

長期にわたる勾留生活の中で、被告を支えたのは家族の存在だった。「一人だったら何回心が折れたか分からない。家族が『待っている、最後まで頑張ろう』と声をかけてくれた。それだけを信じて過ごしていた」と語る。

法廷で判決を聞きながら、被告は涙を流していた。無罪判決が言い渡された瞬間、長年の重荷が少し軽くなったように見えた。

裁判の争点と判決理由

裁判では、死因となった笑乃さんの頭部のけがについて、故意の暴行か事故によるものかが主要な争点となった。

判決では、てんかんの持病のある被告が薬の服用をやめていた期間中に発作が起き、事故につながった可能性を指摘。「故意に暴行を加えたとは言えない」と判断した。

裁判長は判決言い渡しの際、「あなたの動作で笑乃さんが亡くなったのがどういうことか、あなた自身が分かっていると思うので、そのことは忘れないようにしてください」と被告に言葉をかけた。

これからの決意

被告はこの点について取材に対し、「それをずっと考えながら生活をしていた。死ぬまで反省しつづけるつもりです。これから先しっかり病気と向き合って示していくしかない」と語った。

無罪判決を受けたものの、娘を失った悲しみと責任感は消えることはない。被告は今後、てんかん治療に真摯に向き合いながら、残された家族と共に新たな人生を歩んでいく決意を示している。

この裁判は、医療的配慮が必要な被告人の扱いや、長期勾留のあり方についても議論を呼ぶケースとなった。福岡県川崎町在住の被告は、今後も地域社会の中で静かに生活を再建していく見込みだ。

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