新潟県内自治体、物価高対策で「おこめ券」を避け多様な支援策を展開
国の重点支援地方交付金を活用した物価高騰対策が、新潟県内の各自治体で本格的に始まっています。政府が推奨する「おこめ券」を配布せず、自治体内の店舗でのみ使用可能な商品券の販売・配布や現金給付など、汎用性の高い支援策が主流となっています。新潟県は全国一の米生産量を誇る産地であり、米には困らない住民も少なくないため、用途が限定されない柔軟な対応が求められているようです。
プレミアム付き商品券と水道料免除で地域経済を活性化
ブランド米「魚沼産コシヒカリ」の産地として知られる小千谷市では、今月からプレミアム率50%の商品券の販売が開始されました。1冊5000円で7500円分の買い物が可能で、1世帯あたり2冊まで購入できます。さらに、市は6月請求分から7か月間、水道料の基本料金を免除する方針を打ち出しています。早速購入した50歳代の女性は「市内の店舗も潤うので良い。米だけでなく、いろいろなものを買えるほうがありがたい」と話し、地域経済への波及効果を期待しています。
魚沼市や十日町市なども同様にプレミアム付き商品券を販売する予定です。魚沼市では、1冊5000円で1万円分の買い物ができる商品券を1人2冊まで、4月に発売します。これらの商品券は、発行された市町村内の登録事業所でのみ使用可能で、本社・本店の所在地を問わず域内の店舗で使える券や、域内に本社・本店がある事業者の店舗でのみ使える券を併せて用意する自治体も多く見られます。
現金給付や電子商品券など多岐にわたる支援策
商品券の配布を行う自治体も多数あります。妙高市は1人1万円分の商品券の発送を完了し、長岡市は1人1万円分を4月から、上越市は1人3000円分の割引券を5月から配布します。上越市はさらに、市内各商工団体が実施するプレミアム付き商品券の販売事業も支援する方針です。
一方、現金給付を選択する自治体もあります。湯沢町では町民1人あたり1万円を現金給付し、担当者は「おこめ券は町内で使用できる店舗が限られる。商品券も手間と経費がかかり、町民の生活支援に重点を置いた」と説明しています。新潟市も市民1人あたり3000円を給付し、各世帯に申請書などを送付した上で振り込みを行います。
津南町では、町内の事業所で使える電子商品券を50%のプレミアム付きで販売し、地域通貨の普及も図っています。「つなPo!カード」や連携アプリに1万円をチャージすると1万5000円分使える仕組みで、春と秋の2回販売を予定しています。町の担当者は「紙の商品券は負担が大きい。しっかりと地域に還元できる」とその利点を強調しています。
水道料免除や省エネ補助など幅広い支援
自治体の支援は、住民への直接給付だけでなく多岐にわたります。十日町市や三条市などは水道料の基本料金を数か月間免除する措置を取っています。魚沼市では、中小企業や医療介護施設などが省エネ設備を更新する際、経費の3分の2(上限300万円)を補助するほか、園芸農家や畜産農家向けに肥料や飼料、燃料などにかかる経費の支援も行っています。
長岡市の磯田達伸市長は1月の記者会見で「物価高騰は市民全てが影響を受けており、米に限った支援は違う。幅広く使えて地域経済の振興にもつながるようにしたい」と述べ、汎用性の高い対策の重要性を指摘しました。これらの取り組みは、物価高騰対策を単なる一時的な救済措置ではなく、地域経済の活性化につなげる狙いも込められています。
