バレンタインデーは「自分へのご褒美」に変化 静岡のデパートで高級チョコが人気
バレンタインデー(14日)のチョコレート商戦において、自分で楽しむ「ご褒美チョコ」が主流になりつつある。ご褒美チョコの購入金額は、恋人に贈る「本命チョコ」の倍近いとの調査結果もあり、静岡県内の各デパートでは、人々の心を癒やす1万円を超える海外チョコや、SNSで映えるチョコなどを店頭に並べている。バレンタインデーは「自分で楽しむイベント」へと変貌を遂げているようだ。
調査で明らかになった「自分」への投資
百貨店「松屋」が顧客に行ったバレンタインに関する意識調査(昨年12月実施、有効回答数1328)によると、回答者の65%が自分のためにチョコを購入すると回答した。予算は、「自分」向けの平均額が1万662円と高額だった一方で、「本命」向けは半分ほどの5573円にとどまった。会場での「イートインに関心がある」との回答も約6割に上り、体験型消費への関心の高さがうかがえる。
見栄えを意識した商品が店頭に並ぶ
松坂屋静岡店(静岡市葵区)の特設会場では、春の訪れを告げる梅の花に見立てたピンク色のチョコや、アイスキャンディーのように棒をつまんで食べるブラウニーなど、見栄えを意識した品々が並んでいる。担当者は、「昨年より1人あたりの購入点数や購入金額が増加している。写真映えする商品を自分用に購入し、SNSに投稿する人も多い」と話した。
高級品が人気を集める「ご褒美感覚」
「普段我慢しているので、バレンタインだけは自分へのご褒美に甘いチョコレートを食べる」と語るのは、「静岡伊勢丹」(同区)のバレンタインフェアでたくさんのチョコを購入した女性(48)。同店によると、今年はベルギーのショコラティエが作ったショコラなどが6段の箱に詰まった「グランシャトー・オペラ」(約1万2000円)などの高級品が人気だ。担当者は「自分へのご褒美感覚が加速し、開催から10日間の売り上げは、前年同期比で約120%以上増えた」と説明する。
店内でチョコを使用したパフェやドーナツを味わえるイートインコーナーも好評で、チョコレート味のアイスを注文した市内の女性(26)は「手軽にバレンタイン気分を味わえるので満足」と喜んでいた。
カカオ高騰の中での工夫と価格維持
カカオ豆の物価高騰でチョコレートの価格も値上がりする中、商品価格を据え置く店もある。チョコレート専門店「カカオブラボー!」(同)では、カカオ豆を一度に大量に仕入れて運送費を削減し、豆の皮も「カカオティー」に商品化するなど工夫を凝らして、販売価格を抑えている。
同店では、産地の異なるカカオ豆で作られた板チョコを食べ比べできる商品や、県産の甘夏やレモン、ユズなどにチョコをかけた詰め合わせなどが人気。中村幹子店長(65)は「材料の輸送料や資材費も上がっていて厳しい状況だが、なんとか価格を据え置いた。多くの人に楽しんでもらいたい」と語った。
バレンタインデーを契機に、自分自身への投資や癒やしを求める消費者の動向が、静岡の商業施設で鮮明になっている。高級品から手軽なイートインまで、多様なニーズに応える商品展開が、この季節のトレンドを形作っている。



