精米5キロのコスト2811円を初めて公表、店頭価格との乖離に専門家が警鐘
生産者や卸売業者などで構成される米穀安定供給確保支援機構は3月6日、精米5キロ・グラムの生産から流通にかかる総コストが2811円(2026年3月時点)であるとする試算を初めて公表しました。この試算は、一般的なコスト構造を指標として示すことで、適正な価格形成を促進することを目的としています。
4段階のコスト内訳と前年比93円の上昇
試算では、生産、集荷、卸売り、小売りの4つの段階に分けて、人件費、肥料費、輸送費など必要な費用を統計や調査に基づき算出しました。同時に公表された2025年3月時点のコスト試算は2718円であり、1年間で93円の上昇が確認されています。今後は、正式な数値を年に1回公表する方針です。
店頭価格4000円台は「高すぎ」との専門家見解
現在、スーパーなどの小売店では、精米5キロの価格が4000円台の水準で推移している状況です。今回のコスト試算の公表を受け、宮城大学の大泉一貫名誉教授は「各段階でのコストや利益を含めても、現状の店頭価格は高すぎる」と指摘しました。大泉名誉教授は、適正な価格は3300円程度が妥当ではないかとの見方を示しています。
コスト指標の制度化と他食品への拡大
正式なコメのコスト指標は、2026年4月以降、国の認定を受けた民間団体が作成・公表することになります。政府は今後、豆腐や牛乳、納豆などの食品でも同様のコスト指標を公表する方針を明らかにしており、食品価格の透明性向上を図る取り組みが進められています。
この動きは、消費者にとって価格形成の理解を深める機会となる一方、生産者や流通業者にとってはコスト管理の見直しを迫る可能性があります。食品価格の安定化に向けた議論が活発化することが予想されます。



