マンダムのMBOが正式成立、TOB価格の3度の引き上げで総額1256億円に膨張
化粧品大手のマンダムが進めていたMBO(経営陣による自社買収)が、2月26日に正式に成立したことが発表されました。英投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」が実施していた株式公開買い付け(TOB)において、議決権ベースで約72%の株式が応募され、買い付け予定数の下限としていた56%を大きく上回ったためです。これにより、残りの株式も取得する手続きが進められ、同社は上場廃止となる見通しです。
TOB価格の変遷と批判を乗り越えた経緯
このTOBは昨年9月に開始され、当初の買い付け価格は1株1960円、取得総額は793億円と見込まれていました。しかし、当初の価格設定が安すぎるとの批判が「物言う株主」から上がり、彼らによる大量保有や、米投資ファンド「KKR」による競合提案などが発生。一時はTOBの成立そのものが危ぶまれる状況に陥りました。
その結果、マンダムとCVCは3回にわたる買い付け価格の引き上げを実施。最終的には1株3105円にまで引き上げられ、取得総額は1256億円まで膨らみました。これは当初の見込みから約463億円の増加となり、株主への還元を重視した結果と言えます。
今後の展開と市場への影響
マンダムの本社は大阪市中央区に所在しており、今回のMBO成立により、経営陣とCVCによる私企業化が進むことになります。上場廃止後は、より迅速な経営判断や長期的な投資が可能となる一方で、市場からの資金調達機会が失われることにもなります。
この動きは、近年相次ぐ上場廃止の流れの一例とも見られ、企業統治や株主価値の最大化を巡る議論を再燃させる可能性があります。特に、「会社は誰のためのものか」という根本的な問いかけが、投資家や経営者にとって重要な課題として浮上しています。
マンダムのケースでは、価格引き上げを通じて株主利益を確保した点が評価される一方で、当初の低価格設定が批判を招いた経緯は、企業買収における透明性と公正性の重要性を改めて示すものとなりました。今後の業績動向や経営戦略に、市場の注目が集まっています。



