品川区の輸入商社「HELLOtrading」が特別清算開始決定、負債総額は約11億8000万円
東京商工リサーチの発表によると、インテリア用品やランジェリーなどの輸入を手がける「HELLOtrading」(東京都品川区)が、東京地方裁判所から特別清算開始決定を受けた。この決定は12日付で、負債総額は11億8383万円に上る。同社は長年にわたり業界で活動してきたが、近年の経済環境の悪化により経営が悪化し、今回の措置に至った。
設立からピークを迎え、その後減少傾向に
HELLOtradingは1952年に設立され、当初は「栄進物産」の社名で事業を展開していた。インテリア用品やランジェリーなどの輸入を中心に、東京、名古屋、大阪などの主要都市の百貨店内で小売りも行い、業界で一定の地位を築いていた。売上高は1997年4月期に51億2971万円とピークを迎えたが、同業者との競合激化により緩やかに減少傾向に転じた。
その後、2008年のリーマン・ショックによる世界的な経済不況の影響で業況が悪化し、デリバティブ損失を計上するなど財務状況が悪化。2011年12月期には決算期を変更した上で債務超過に転落し、経営の立て直しが課題となっていた。
新型コロナの影響で債務超過が拡大
2020年12月期には、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛や店舗の時短営業などの影響で、売上高が8億4098万円まで大幅に減少した。これにより赤字計上が続き、債務超過がさらに拡大。経営再建を目指し、2024年に現住所に本社を移転し、オーナーも交代するなどの改革を実施した。
同時に、新しい「栄進物産」を設立し、すべての事業を同社に移管。旧会社は2023年3月に「HELLOtrading」に商号を変更し、金融機関などとの清算処理に向けた調整を進めていた。昨年12月までに調整が終了し、今回の特別清算開始決定に至った。なお、事業自体は新設された栄進物産で継続しており、顧客へのサービスは維持される見込みだ。
この特別清算は、負債を整理し、法的な手続きを通じて清算を進めるもので、同社の長い歴史に一旦の区切りがつくことになる。経済環境の変化や競争激化に直面する中小企業の課題を浮き彫りにする事例として、業界関係者の注目を集めている。



