アスリートへの誹謗中傷が社会問題となる中、選手の安全と安心な環境を提供する「セーフガーディング」を考える公開シンポジウムが19日、東京都豊島区の立教大学池袋キャンパスで開催された。同大に在学し、ミラノ・コルティナ冬季五輪スピードスケート女子団体追い抜きで銅メダルを獲得した野明花菜選手が登壇し、誹謗中傷への対応について「時間をかけたくない領域だ。根性でどうにかできるという考えに陥りやすい」と述べた。
野明選手、SNS持たずに五輪へ
野明選手は「自分に向けられる声が怖かった」ため、SNSのアカウントを持たずに五輪に臨んだと明かした。試合後、ネット上でさまざまな意見を目にしたが、「応援してくださる方のメッセージだけを見ていたい」と語り、誹謗中傷から自らを守るための選択をしたことを強調した。
専門家が語るセーフガーディングの重要性
シンポジウムは、立教大学スポーツウエルネス学部の特任教授で、五輪日本選手団に長年携わる医師の土肥美智子氏の「セーフガーディングは誰もが知るべきリテラシーであり、教育が重要。その一歩になれば」との思いから実現した。土肥氏は今後の展望について「多分野での連携や教育の体系化、恒常的なサポート体制の構築を目指したい」と語った。
また、ミラノ・コルティナ冬季五輪で選手の心のケアを担当した「ウェルフェアオフィサー」のスポーツ心理学者・田中ウルヴェ京氏や、日本オリンピック委員会(JOC)の誹謗中傷対策に関与した弁護士・小塩康祐氏も出席。選手の精神面を整える重要性や、各プラットフォームとの連携の必要性を訴えた。



