パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長は20日、2025年から推進してきた構造改革について「踏み込み不足はほぼない」と総括した。報道各社の合同取材に応じ、テレビ事業をグループ内に残す判断に至った経緯を詳細に説明した。
テレビ事業存続の理由
楠見社長は、売却や撤退も辞さない分野として挙げていたテレビ事業について、「国内には系列店など多くのお客様がいる。(他社から)勝手に仕入れてくださいといった無責任なことはできない」と述べ、顧客基盤を重視した判断を強調した。また、家電事業全体において「パナソニック」ブランドを強化する役割があるとも指摘した。
ソニーとの対応の違い
ソニーグループが26年1月に中国家電大手TCLと合弁会社を設立し、テレビ事業を分離する方針を示したことについて、楠見社長は「事業売却はわかりやすいかもしれないが、資本関係だけで(改革の)踏み込みを議論するのは的外れだ」と述べ、自社の戦略を擁護した。
構造改革の成果と今後の課題
パナソニックHDは、収益性の低いテレビ事業など4事業について「グループ外に出す覚悟はある」と表明していたが、最終的にはコスト削減策として中国家電大手スカイワース社に欧米での販売を委託するなどし、テレビ事業は継続することとなった。楠見社長は「踏み込み不足はほぼない」と自信を示したが、国内外で1万2000人の人員削減を実施するなど、厳しい改革が続いている。
楠見社長は25年2月に大幅な構造改革を発表し、低収益事業の整理を進めてきた。今回のテレビ事業存続判断は、ブランド価値と顧客関係を重視した結果であり、今後の業績改善が注目される。



