金融安定理事会(FSB)は6日、投資ファンドなどが貸し手となって企業に直接融資する「プライベートクレジット」市場について、各国当局が連携して監視を強化するよう提言した。借り手の信用力への懸念など「脆弱性がある」として、金融システムの安定性に影響を与える恐れがあると警鐘を鳴らした。
プライベートクレジット市場の現状
プライベートクレジットは、投資ファンドなどが機関投資家や個人投資家から資金を集め、銀行から資金を借りづらい中小企業などに融資する仕組みだ。利回りが高く人気を集めてきたが、米国では融資先の破綻などが発生し混乱が広がった。
FSBの推計と懸念
FSBは、プライベートクレジット市場が2024年末時点で1兆5千億~2兆ドル(235兆~314兆円)に達したとの推計に触れ、急速に拡大しているとの認識を示した。同市場は銀行以外の貸し手が主体であり、規制の枠組みが不十分なため、潜在的なリスクが高まっていると指摘する。
特に、借り手の信用力が低下した場合、融資のデフォルトが連鎖し、市場全体に波及する可能性がある。また、プライベートクレジットの証券化やレバレッジの活用が進んでおり、金融システム全体の安定性を脅かす恐れがあると警告した。
提言の内容
FSBの提言では、各国の金融当局が協調してデータ収集やリスク評価を強化し、透明性を高めることが求められている。具体的には、プライベートクレジットの規模や内容を定期的に報告する仕組みや、ストレステストの実施などが含まれる。
また、投資家保護の観点から、リスク情報の開示を徹底することも重要だとしている。FSBは、これらの措置を通じて、市場の健全な発展と金融システムの安定性を確保する必要があると結論づけた。



