関西電力、組織風土改革で「内向き体質」脱却へ 再発防止の道筋探る
関西電力、組織風土改革で内向き体質脱却へ

関西電力、不祥事を機に組織風土の大改革に着手

度重なる不祥事を受け、関西電力は2023年から社内体制の見直しと組織風土の改革に本格的に取り組んでいる。これまでの「内向きの企業体質」を改め、自由闊達で風通しの良い職場環境の構築を目指して模索が続く。電力業界では不正が後を絶たない中、同社の取り組みが再発防止にどの程度寄与するのか、業界内外から注目が集まっている。

全社イベントで改革の機運を醸成

2026年2月2日午後、関西電力本社40階の大会議室で、イベント「ええやん!Day 組織風土改革を、本音で語る一日」が約2時間にわたって開催された。会場には約230人が集結し、美浜原子力発電所(福井県)や木曽水力センター(長野県)など全国95拠点からオンラインで約2600人が参加した。

昨年は関西電力単独での開催だったが、2回目となる今回は子会社の関西電力送配電も加わった。登壇した同社の白銀隆之社長は、「私の若い頃は、先輩が築いてきたものを否定していいのかと躊躇する組織風土があった」と、関西電力時代を率直に振り返った。一方、関西電力の森望社長は、「挑戦する組織風土を作っていくムードになっていると思う」と語り、改革への前向きな姿勢を示した。

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スペシャルゲストとして元サッカー日本女子代表の澤穂希さんが登場し、両社長とのトークセッションでリーダーの心構えなどを説いた。その後の表彰式では、組織風土の改革に取り組む各職場のエピソード1023件の中から従業員の投票で計6件を大賞に選び、各チームの代表に両社長から賞状が手渡された。

社長肝いりで専任チームを設置

このイベントを企画したのは、関西電力の「組織風土改革室」である。同室は2023年7月に発足した。関西電力はそれまでの約3年間で3度の業務改善命令を受け、組織改正を実施。役員らの金品受領問題や企業向け電力販売を巡るカルテル、新電力の顧客情報の不正閲覧など、相次ぐ不祥事を食い止めることが喫緊の課題となっていた。

改革室には3人の専任スタッフを配置し、原子力や火力、経営企画など計7部門の担当者とともに、従業員目線で問題点を洗い出し、対応策を検討した。経営陣も後押しするため、改革室の設置と並行して役員らによる「組織風土改革会議」を開始。森社長が議長を務め、2週間に1回のペースで話し合い、取り組みを先導した。

その結果、組織の共通課題として「今ある仕事をやめる文化がない」「意見しても結局変わらないとのあきらめ」「所属集団以外の情報を知らない」といった点を社内で共有。変革を推進するために「気づく」「言える」「行動する」を合言葉に掲げた。目指すのは、リスクやチャンスに対する高い感度を持つ組織心理的安全性が高く風通しが良い状態を作る組織自ら主体的に動く組織の構築である。

具体的な施策と課題の模索

実現に向けて、管理職を対象に「心理的安全性」に関する動画研修や、「日本ほめる達人協会」による「褒め達研修」などを実施。職場で感謝の気持ちを伝えるデジタルギフトの付与や、組織の「健康状態」を可視化する「エンゲージメントスコア」調査の導入などを進めてきた。

取り組みを始めて2年半余りが経過し、「まずはやってみる」との意識が社員に広がりつつある一方で、組織風土改革室には今も「具体的に何をやっているのか」との声が寄せられるという。この間、関西電力は改革室の人員を段階的に増やし、2024年7月からは8人で業務に当たってきた。今後は積極的に現場に出向き、課題の共有と対話活動に力を入れていく方針だ。

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関西電力の組織風土改革は、単なる内部改善にとどまらず、業界全体の信頼回復と再発防止への道筋を示す試金石として、その行方が注視されている。