東京きらぼしフィナンシャルグループ(FG)は8日、前身の一つである旧「新銀行東京」の救済に充てられた東京都からの公的資金400億円について、今年度中に全額を返済する方針を明らかにした。収益の改善を受けて、完済計画を2年前倒しする決定を下した。巨額の不良債権を抱え、経営危機に陥った「官製銀行」の処理が、ようやく終結の時を迎える。
公的資金の返済方法と背景
東京都は、議決権は有しないものの、一般株よりも高い配当が得られる優先株を400億円分保有している。きらぼしFGは、十分な内部留保が確保できたと判断し、今年度中にこれらの優先株を一括で買い戻し、消却することを決めた。同社は8日夕方に記者会見を開き、詳細な説明を行う予定だ。
新銀行東京の設立と経営危機
新銀行東京は、石原慎太郎東京都知事(当時)の主導により2005年に設立された。中小企業金融の強化を掲げ、東京都は1千億円を出資した。しかし、ずさんな審査に基づく融資が原因で経営危機に陥り、都は2008年に400億円を追加注入して同行を救済した。
その後、新銀行東京は2015年に東京などを拠点とする地域金融機関と統合し、現在のきらぼしFGの一部となった。今回の返済により、東京都が抱えていた不良債権問題は解消され、官製銀行としての歴史に終止符が打たれる。
今後の展望
きらぼしFGは、収益の改善傾向が続いていることから、早期の完済が可能と判断した。この返済により、同社の財務体質はさらに強化され、今後の事業展開に弾みがつくことが期待される。また、東京都にとっても、長年にわたって懸案となっていた公的資金の回収が完了することで、財政負担の軽減につながる。



