日鉄、2027年3月期に黒字転換へ 海外収益拡大と米USスチール買収が追い風
日本製鉄の岩井尚彦最高財務責任者(CFO、61歳)は、共同通信の取材に対し、2027年3月期の連結純損益が黒字に転換するとの見通しを明らかにしました。この見通しは、国内でのコスト削減努力と海外事業の収益拡大、さらに2025年6月に買収した米USスチールの利益貢献が背景にあります。
国内コスト削減と海外事業の収益拡大が基盤
岩井氏は、2026年3月期に予想される一時的な損失が解消されることに加えて、国内事業において徹底したコスト削減を図る方針を説明しました。同時に、海外事業の収益を積極的に拡大させる戦略を推進することで、全体の財務体質を強化していく構えです。
特に、米USスチールの買収については、「当然見込める」と述べ、将来的な利益貢献に強い期待を示しました。この買収は、日鉄のグローバルな事業展開を加速させる重要な一手と位置付けられています。
2026年3月期は700億円の赤字予想 一時的要因が影響
一方、2026年3月期の連結純損益予想は、700億円の赤字となっています。この赤字の主な原因は、事業譲渡などに関連して計上される約2700億円の特別損失です。さらに、米国の鋼材市況の悪化や製鉄所での爆発事故の影響により、USスチールからの利益貢献は当面ゼロと見込まれています。
岩井氏は、2027年3月期の具体的な黒字水額については明らかにしませんでしたが、これらの一時的な要因が解消され、買収効果が本格化することで、黒字転換が確実視される状況です。
今後の課題と展望
日鉄は、以下の点に注力しながら、黒字転換に向けた取り組みを進めていきます:
- 国内事業の効率化:コスト削減を通じた収益性の向上。
- 海外事業の拡大:特に米国市場での収益基盤の強化。
- USスチールの統合:買収後のシナジー効果を最大限に引き出す。
これらの戦略が順調に進めば、2027年3月期の黒字転換は現実的な目標として期待されます。業界関係者からも、日鉄の構造改革とグローバル展開への注目が高まっています。



