衆院選後の株価上昇が一気に帳消しに 世界的な株安の連鎖が深刻化
米国とイスラエルによるイラン攻撃を発端とした世界的な株安の連鎖が止まらない状況が続いています。日経平均株価は2026年3月4日までの3日間で4600円超も下落し、衆院選以降に積み上げてきた上昇分が一気に吹き飛ぶ事態となりました。専門家の間では、事態が長期化し原油価格がさらに高騰すれば「日経平均が5万円を割り込む可能性もある」との見方が強まっています。
投資家心理が急速に悪化 機関投資家の売り注文が相次ぐ
「中東情勢の緊迫化や原油価格の高騰リスクが継続する中で、株式への投資を控えざるを得ない状況です」。3月4日朝、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のディーリングルームには、国内の機関投資家から売り注文が次々と寄せられました。投資家心理を悪化させている最大の要因は、事態の収束が見通せない点にあります。
トランプ米大統領はイラン攻撃の長期化を辞さない姿勢を明確にしており、イラン側も周辺国への報復攻撃を継続しています。このような不透明な状況が、市場に大きな不安をもたらしているのです。韓国や台湾の株式市場でも大幅な下落が発生しており、世界的なリスク回避の動きが広がっています。
原油価格高騰が日本経済に与える影響
イラン情勢の緊迫化に伴う原油価格の急騰は、日本経済全体に深刻な影響を与える可能性が指摘されています。エネルギーコストの上昇は企業業績を圧迫し、家計の購買力も低下させかねません。これまでの物価高対策の効果が帳消しになる恐れもあり、経済政策の見直しを迫られる事態も想定されます。
特に懸念されているのが、イランがホルムズ海峡を封鎖した場合の影響です。世界の原油供給の重要なルートである同海峡が閉鎖されれば、世界的なエネルギー危機が発生し、日本経済にも大きな打撃を与えることになります。日本の中東依存度の高さが改めて課題として浮き彫りになっています。
今後の市場見通しと投資家の対応
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の東克次株式営業部長は、現在の市場環境について「非常に慎重な対応が求められる局面」と指摘しています。地政学リスクが高まる中、短期的な市場のボラティリティ(変動率)はさらに拡大する可能性があります。
投資家はリスク資産の見直しを進めており、安全資産への資金シフトが加速しています。今後の市場動向を左右するカギは、イラン情勢の展開と原油価格の推移、そして各国中央銀行の金融政策対応になると見られています。経済関係者は目を離せない状況が続く中、幅広い情報収集と柔軟な投資判断が重要となっています。
