トヨタ・センチュリー開発責任者が語る、SUV型の魅力と日本の匠の技
トヨタ・センチュリー開発責任者が語るSUV型の魅力

トヨタ・センチュリー開発責任者が語る、SUV型の魅力と日本の匠の技

トヨタ自動車のセンチュリー開発責任者である田中義和氏(64歳)が、スポーツ用多目的車(SUV)型「センチュリー」の開発理念について語った。実務を重んじるビジネスパーソンやグローバルエリートにとって、移動時間は打ち合わせや休息に活用される重要な場面だ。彼らには、セダンだけでなく、広々としたSUVにも大きな価値があると指摘する。

乗り心地と安定感を追求した開発

田中氏は、「乗って楽しい車は、運転手付きでも優れた車になり得る」と強調する。運転手が快適に操縦できる車は、後部座席でリラックスしながら安全に長距離移動できる環境を提供する。そのため、SUV型センチュリーの開発では、車体の剛性にこだわり、安定感を高めることに注力した。外観はセンチュリーらしい風格を保ちつつ、乗り降りの美しさや室内の快適さを実現し、現代のニーズに応える車となった。

伝統技術と未来への挑戦

昨秋のジャパンモビリティショー(JMS)で発表されたクーペ型センチュリーは大きな反響を呼んだ。田中氏はこの開発にも携わっており、試作車の内装には西陣織や輪島塗といった日本の伝統技術を取り入れている。「車を使って日本の技術や文化を発信すれば、日本がさらに良くなる」と語り、海外からも憧れられる存在を目指す。日本の自動車産業の力を示すため、匠の技を結集したものづくりに取り組んでいる。

センチュリーの歴史と未来展望

センチュリーは1967年、トヨタグループ創始者・豊田佐吉の生誕100周年を記念して発売された。当初はセダンのみだったが、現在は3代目となり、2023年にはSUV型が加わり、トヨタの最上位ブランドとして位置づけられている。累計販売台数は約4万3千台で、天皇・皇后両陛下の御料車や首相専用車、大相撲の優勝力士パレード用車としても使用されている。

田中氏は、「基本的にセンチュリーは運転手付きを想定しているが、今後はVIPが自ら運転する場面も増える」と予測し、自動運転などの安全技術を最先端で導入したい意向を示す。JMSで展示されたクーペ型は試作段階であり、商品化に向けて詳細を詰めている最中だ。来年や再来年の発売は難しく、驚きをもたらす仕込みを進めているという。

田中氏は1987年に京都大学大学院を修了後、トヨタ自動車に入社。プリウスのプラグインハイブリッド車(PHV)の開発責任者や燃料電池車(FCV)ミライのチーフエンジニアを経て、2025年1月からSUV型センチュリーの開発責任者を務めている。日本の自動車産業の未来を担うプロジェクトに、期待が寄せられている。