ガソリン価格が記録的な高値に 栃木県内で190.7円を突破
中東地域の情勢悪化を背景に、ガソリン価格が急激な上昇を見せている。石油情報センターが3月18日に発表した栃木県内のレギュラーガソリンの平均価格(3月16日時点)は、1リットルあたり190.7円となり、前週から28.7円の大幅な値上がりを記録した。これは過去最高の水準であり、車社会が根強い栃木県において、家計への直接的な打撃となっている。
日常生活への深刻な影響
宇都宮市在住のパーソナルトレーナー男性(50歳)は、バイク通勤のための給油代が週に約1100円から1700円へと急増したことに衝撃を受けた。「短期間でこれほど値上がりするとは予想外だった。家計を圧迫するため、バスや電車への乗り換えも検討せざるを得ない」と語る。春の行楽シーズンを迎える中、観光客からも不満の声が上がっており、埼玉県から那須町へ旅行中の女性(49歳)は「遠出する際の燃料費が痛手だ」と嘆いている。
農家と運送業界の危機感
那須塩原市で約34ヘクタールの水田を管理するコメ農家男性(58歳)は、田植え前の作業でトラクター3台を毎日稼働させており、1日あたり100~120リットルの軽油を消費する。「燃料価格が数十円上がるだけで、長期化すれば数百万円単位の影響が出る。収穫後の乾燥機用の灯油も大量に必要で、情勢の早期安定を願っている」と不安を口にする。
県トラック協会の近藤基了専務理事は、石油元売り企業が一般向けガソリンスタンドへの供給を優先しているため、運送業者向けのタンクが空になるケースが増加していると指摘。「一般スタンドでの給油は1リットルあたり50円近く高くなるが、価格転嫁は困難。この状況が続けば物流が停止し、深刻な事態に陥る」と警告する。
政府と金融機関の支援策
足利銀行は3月17日、燃料価格高騰の影響を受ける事業者向けに、本店と支店計66か所で資金繰り相談窓口を設置した。同行は「原油価格の上昇が幅広い業界に波及することを想定し、支援を強化したい」と説明している。
政府も3月19日からガソリン代などの補助を開始し、民間備蓄の石油放出に加えて、3月末頃には国家備蓄の放出を実施する予定だ。石油情報センターは「政府の補助策により、1~2週間かけて価格が1リットルあたり170円程度まで下落する見込み。慌てずに通常の給油を心がけてほしい」とアドバイスしている。
歴史的な価格上昇幅
今回のガソリン価格の前週比上昇幅28.7円は、2008年5月にガソリン税の暫定税率が復活した際の30.7円に次ぐ、過去2番目の大きさとなった。軽油は1リットルあたり177.8円(前週比28.5円高)、灯油は18リットルあたり2789円(同497円高)といずれも最高値を更新し、燃料全般にわたる価格高騰が進行している。



