イラン攻撃でガソリン価格が急騰、愛知県では1リットル187円に 給油制限への懸念広がる
イラン攻撃でガソリン価格急騰、愛知で187円に 給油制限懸念 (12.03.2026)

イラン攻撃でガソリン価格が急騰、愛知県では1リットル187円に

米国とイスラエルによるイラン攻撃に伴う原油相場の高騰が、東海地方の日常生活に深刻な影響を及ぼしている。2026年3月12日、各地でガソリン価格が急騰し、昨年末に暫定税率が廃止されて下落した分を上回る大幅な値上げが実施された。中東では原油タンカーなど船舶への攻撃が相次ぎ、消費者や各業界に先行きへの不安が広がっている。

愛知県のガソリンスタンドで大幅値上げ、経営者も困惑

愛知県稲沢市のガソリンスタンド「Nステージ稲沢SS」を経営する大洋石油の山崎晃司社長(56)は、石油元売り会社から11日に届いたファクスを見て、目を疑った。レギュラーガソリンの卸売価格を12日から大幅に値上げするとの予告だった。これを受け、店ではガソリン価格を1リットル当たり157円から187円に値上げした。山崎社長は「売った分だけ赤字になってしまうので、大幅に値上げせざるを得なかった」と話し、苦渋の決断を明かした。

石油の安定供給のため補助金再開を決めた政府の対応は歓迎する一方で、「国際情勢に左右されず、安定的な価格で仕入れられる仕組みを構築してほしい」と注文した。名古屋市中区の「タカラ石油」では12日午後、1リットル当たり31円値上げし、午前中は148円と抑えた価格で販売していたため、客がひっきりなしに給油に訪れていた。

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消費者や業界から不安の声、給油制限への懸念も

名古屋市中川区の主婦脇山ゆきさん(42)は、子どもの送迎などで車は欠かせず、週に1回は給油している。「値上げは痛い。石油製品の値段が全て上がってしまうのではないか」と懸念を口にした。店長代理の山内三慶さん(67)は「備蓄も補助金の財源もいつまでも続くわけではない。オイルショックの時のような給油制限にならないか心配だ」と不透明な先行きを嘆いた。

運輸業界も原油価格の先行きに気をもんでいる。高速バスを運行する愛知県内の会社の担当者は、燃料として使用する軽油の価格が2割ほど上昇すると見通す。政府は石油備蓄を放出する方針を決定したが、この担当者は「いつまで供給不安が続くか分からない。価格上昇に加え、量が不足しないか」と危ぶむ。既に供給会社が軽油販売を絞り始めたとも耳にしており、「物流や鉄道も軽油を使っており、奪い合いになるのでは」と不安視した。

物流大手のセイノーホールディングス(岐阜県大垣市)の担当者は「燃料サーチャージを導入しているが、3カ月ごとの変動幅に応じて価格を改定する制度のため、価格の急上昇を懸念している」と状況を注視している。

クリーニング店など石油製品を使う業界も影響

影響は多くの石油製品を使うクリーニング店にも広がっている。名古屋市東区で店を営む男性店主(52)は「これからどうなるのか」と心配する。衣類の乾燥や仕上げに必要な蒸気を発生させるボイラーをはじめ、衣類を包むビニール包装、ハンガーなど「ほぼ全てに石油が欠かせない」ことから、石油価格の値上がりは経営に直結する。

店では近年の資材価格の高騰を受け、1~2年に1度、数十円単位で価格を見直してきた。3月下旬に衣替えで注文が急増する繁忙期を控え、男性は「今のお客さんを大事にしたいので、中東情勢が不安定だからと急に大幅な値上げはできない」と漏らした。国際情勢の緊迫化が、地域経済に及ぼす波紋は今後も続きそうだ。

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