九州・山口・沖縄の公示地価動向:熊本は上昇幅縮小、鹿児島は下落続く
2026年3月に発表された公示地価によると、九州・山口・沖縄の9県では、鹿児島県を除くすべての県で住宅地と商業地が上昇しました。訪日客の増加や地域経済の活性化が主な要因として挙げられています。
沖縄県が住宅地上昇率で全国2位に
沖縄県では、県外からの移住者を中心とした需要が郊外にも広がり、住宅地の上昇率が東京に次ぐ全国2位の高水準を記録しました。この傾向は、生活環境の良さや観光業の成長に支えられています。
佐賀、大分、宮崎の3県で上昇幅が拡大
佐賀県は福岡市への交通の利便性が高く、生活環境も評価され、住宅地と商業地の上昇幅が前年より拡大しました。大分県では観光客向けホテルや郊外の住宅開発が需要を牽引し、宮崎県では南海トラフ地震の津波浸水リスクが低い高台の地価が大きく上昇しました。
熊本県:TSMC進出後も上昇幅が縮小
台湾積体電路製造(TSMC)の進出で地価上昇が続いてきた熊本県では、住宅地と商業地の上昇幅が縮小しました。ただし、工場に最も近い大津町の調査地点では工業地が26%上昇し、全国トップを記録しています。
鹿児島県:離島の多さと少子高齢化で下落が継続
離島が多く、少子高齢化が激しい鹿児島県では、住宅地が28年連続、商業地が35年連続で下落しました。地域の人口減少や経済活動の低迷が影響しています。
福岡県:九州大学跡地周辺で地価が急上昇
福岡県では、九州大学箱崎キャンパス跡地(福岡市東区)の近くで、商業地が18.1%上昇し、2年連続で県内トップとなりました。住宅地も10%を超える上昇を見せ、大規模な再開発が地価を押し上げています。
沖縄県のテーマパーク「ジャングリア沖縄」の影響は限定的
昨年7月に開業した沖縄県今帰仁村のテーマパーク「ジャングリア沖縄」では、隣接する名護市の住宅地や商業地の上昇幅が前回より拡大しました。しかし、国土交通省は「今回の調査では、ジャングリアの影響は限定的」と評価しています。
専門家の見通し:景気減速リスクに注視
山口県の不動産鑑定士は、「物価高が家計を圧迫すると住宅地が減退する可能性がある。中東情勢などで景気が減速すると商業地にすぐ影響するため、注視したい」と述べ、今後の経済動向に警戒感を示しました。



