岐阜県公示地価、商業地と工業地が連続上昇 住宅地下落幅は縮小
国土交通省が17日に公表した2026年1月1日時点の公示地価によると、岐阜県内の地価動向は商業地が3年連続、工業地が4年連続で上昇を記録した。住宅地は下落傾向が続いているものの、下落幅は前年から縮小しており、県内全調査地点の平均変動率はプラス0.2%で2年連続の上昇となった。
調査地点の詳細と価格動向
県内では前年と同様の376地点を調査対象とした。内訳は住宅地が251地点、宅地見込み地が1地点、商業地が104地点、工業地が20地点である。継続調査となった370地点のうち、価格が上昇した地点は127地点で前年比13地点増加、横ばいは84地点で5地点減少、下落は159地点で10地点減少した。
全地点の1平方メートルあたり平均価格は5万7100円で、前年比900円の増加を示している。最高価格は住宅地が岐阜市金町の33万1000円で6年連続、商業地が岐阜市吉野町の大岐阜ビルで70万7000円で20年連続のトップを維持。いずれもJR岐阜駅や名鉄岐阜駅周辺のエリアである。
住宅地の動向と下落幅縮小の要因
住宅地の平均変動率はマイナス0.2%で、1993年から34年連続の下落が続いている。しかし下落幅は前年から0.1ポイント縮小しており、継続調査対象の247地点のうち75地点で上昇を記録した。
上昇率が最も高かったのはJR西岐阜駅周辺の岐阜市西荘で5.3%の上昇。名古屋までの交通利便性の高さや生活利便施設の充実が評価されている。アフターコロナの現在、通勤・通学の利便性が再評価される傾向が強まっているとみられる。
商業地の堅調な上昇と観光地の活況
3年連続で上昇した商業地は、継続調査対象102地点中33地点で上昇、38地点で横ばい、31地点で下落した。インバウンド需要がコロナ禍前の水準を上回っていることから、観光地の高山市内やJR大垣駅南口の再開発事業が進む大垣市内、岐阜羽島ガーデンモールの来客が堅調な羽島市内で価格が大きく上昇した。
商業地での上昇変動率1位は高山市上三之町のプラス24.9%で、全国でも9番目に上昇幅が大きい地点となった。一方、岐阜市内ではJR岐阜駅北側の再開発事業の建築費高騰による計画縮小の影響で、上昇率が前年より3.2ポイント減少した地点も見られた。
工業地の顕著な上昇と交通利便性の期待
工業地は継続調査の20地点中19地点で上昇し、横ばいは1地点のみ。上昇変動率では本巣市見延糸貫川通がプラス6.3%で1位となった。2025年8月の東海環状自動車道西回りの一部開通により、交通利便性の向上への期待感が地価上昇に反映されたと分析されている。
高山市の観光需要拡大が商業地価格を牽引
高山市では商業地の上昇率が県内1位と2位を占め、観光需要の拡大が地価上昇を後押ししている。同市によると、2025年に市内を訪れた観光客は過去最多の479万5000人を記録し、コロナ禍前の2019年を6万2000人上回った。
宿泊者数も232万4000人で過去最多となり、うち外国人宿泊者数は97万8312人と前年比27.10%の大幅増加を示した。外国人宿泊者数を国・地域別に見ると、台湾が11万9595人で最多、中国9万1906人、米国5万8775人と続く。円安の進行により旅行消費額が増加していることが背景にあるとみられる。
市観光課の担当者は「大阪・関西万博の影響も観光客増加に寄与している可能性がある」と推測している。インバウンド需要の回復が、伝統的な町並みを有する観光地の地価上昇に直接的に結びついている状況が明らかになった。



