北海道南部近海でのスルメイカ漁が6月1日、解禁される。しかし、函館水産試験場が5月下旬に実施した資源調査では、日本海側の漁場での漁獲が全くなく、専門家は「漁期序盤の漁獲は期待できないのではないか」と厳しい見方を示している。豊漁を願う漁業関係者らは29日、北海道函館市で祈願祭を行った。
資源調査で漁獲ゼロ、過去最低を記録
同試験場調査研究部が5月下旬、松前沖と青森県沖の2地点で調査したところ、イカ釣り機での漁獲数はゼロとなり、2001年の調査開始以来、最低となった。また、青森県沖でタモ網で採集した個体は6センチ以下だったという。
専門家の分析:北上遅れと小型化
北海道大大学院水産科学研究院の中屋光裕准教授は、道南近海への北上が進んでいないと指摘した上で、「すでに北上していても、イカ釣り機で釣るのが難しい小型の個体しかいない。漁期序盤はまとまった漁獲は難しい」と分析。国立研究開発法人水産研究・教育機構の浮魚資源部松井萌主任研究員は「今北上している資源の全体量や、道南にたどり着く量もわからない」と予測の難しさを語る。
函館漁港で祈願祭、漁師の思い
函館市入舟町の函館漁港では29日、市や漁協関係者ら約70人が祈願祭を行い、安全な操業と豊漁を願った。昨年は水揚げが好調な中、小型船の漁獲可能量(TAC)が上限を超過し、一時休漁を強いられた。市漁業協同組合所属の漁師、田原正明さん(66)は「燃料費も高くなっていて、負担は少なくないが、函館はやっぱりイカの町。イカがとれることを期待して、ひとまず海に出てみたい」と話した。



