交流サイト(SNS)を通じて投資を持ちかけ、金をだまし取る詐欺事件が急増している。必ずもうかるなどといった甘い話は決して信用してはならない。
被害の実態
県警によると、県内では今年1月から4月までに確認されたSNS型投資詐欺は21件に上り、被害総額は5億1652万円に達している。これは「なりすまし詐欺」全体の被害額の約半分を占める深刻な状況だ。
今月に入っても、郡山市の女性が5000万円以上をだまし取られる事件が発覚するなど、被害は拡大の一途をたどっている。
典型的な手口
詐欺の典型的な手口は、SNS上に「楽に稼げる」「投資のノウハウを教える」といった広告を掲載し、関心を持った人をLINE(ライン)などのメッセージアプリに誘導する。その後、個別のやりとりを重ねて信頼させ、株や暗号資産の購入に見せかけて多額の資金を振り込ませるというものだ。
さらに、ダウンロードさせたアプリで利益が出ているように偽装したり、著名人に成り済まして投資を勧めたりするケースも確認されている。
被害者の特徴
被害者は、スマートフォンなどの操作に慣れている30代から50代が多く、ほとんどがインターネット経由で送金させられるため、周囲の人が被害に気付きにくいという特徴がある。
防止策
まず、SNSでダイレクトメッセージが届いたり、個人的なやりとりを持ちかけられたりした時点で詐欺を疑う必要がある。また、金融庁のウェブサイトでは許可や登録を受けている金融事業者を調べることができるため、相手に紹介された事業者が安全かどうか確認してほしい。少しでも不審な点があれば、警察などに相談することが重要だ。
背景と影響
最近は株価上昇がニュースになることが多く、「投資ブームに乗り遅れまい」という心理に付け込まれる人も少なくない。1人当たりの被害額も数百万円から数千万円と高額化している。
県警によると、消費者金融や知人から借金してまで送金した例もあったという。詐欺に遭えば自身が損失を被るだけでなく、周囲にも迷惑をかける恐れがあることを肝に銘じるべきだ。
教育と規制の必要性
「貯蓄から投資へ」という政府方針を受け、2022年度から高校での金融教育が必修化された。学校現場では、金融機関や証券会社などの協力を得ながら、投資についての正しい知識を生徒に伝え、SNS詐欺の未然防止につなげてもらいたい。
被害が拡大する中、国はSNS事業者に広告の事前審査強化や削除を要請しているが、反応は鈍い。事業者による自浄作用が期待できない以上、詐欺につながる広告を規制するための法整備を検討すべきだ。



