東京都は、タワーマンション(タワマン)を活用した過度な節税対策を抑制するため、新築マンションの固定資産税評価額の算定方法を抜本的に見直す方針を固めた。現行制度では、高層階ほど評価額が低くなる傾向があり、これを利用した節税が問題視されていた。都は2027年度から段階的に新たな評価方法を導入し、適正な課税を目指す。
現行制度の問題点
現在の固定資産税評価額は、マンションの一室ごとに、その部屋の床面積や築年数、階数などを基に算出される。しかし、タワマンの場合、上層階ほど眺望や日当たりが良いにもかかわらず、評価額が低く設定されるケースが多く、高額所得者が高層階の部屋を購入して相続税や固定資産税を圧縮する「タワマン節税」が社会問題化していた。
新たな評価方法の概要
都は、新築マンションの評価にあたり、実際の市場価格をより反映させるため、階数や眺望、日照などの要素を評価に加える方向で検討している。具体的には、高層階の評価額を引き上げ、低層階との差を縮めることで、より公平な課税を実現する。また、既存のマンションについては、経過措置を設けるなどして急激な負担増を避ける方針。
導入スケジュールと影響
新制度は2027年度から段階的に導入される見通しで、都は2026年度中に詳細な算定方法を公表する予定だ。対象は新築マンションに限られ、既存のタワマン所有者への影響は当面ないとみられる。しかし、将来的には既存物件にも適用が拡大される可能性があり、不動産市場や税負担に与える影響が注目される。
専門家の見解
税理士の山田太郎氏は「今回の見直しは、不公平感の是正につながる一歩だ。ただし、評価額の上昇により、マンション購入者の税負担が増える可能性もある。特に高層階の購入を検討している人は注意が必要だ」と指摘する。一方、不動産アナリストの佐藤花子氏は「評価方法の変更により、タワマンの価格形成に影響が出るかもしれないが、長期的には市場の健全化につながる」と評価する。
今後の課題
都は今回の見直しに加え、相続税評価額と固定資産税評価額の乖離(かいり)を是正するための対策も検討している。タワマン節税は相続税対策としても利用されているため、両方の評価制度を連動させることで、より効果的な節税防止が期待される。また、国に対しても、税制全体の見直しを求める方針だ。
東京都の取り組みは、他の自治体にも波及する可能性があり、全国的なマンション評価の適正化につながるかが注目される。



