和歌山県の公示地価が35年連続下落、住宅地変動率は全国最低に
国土交通省が17日に発表した2026年1月1日時点の公示地価によると、和歌山県内の平均変動率は0.4%減となり、前年の0.5%減から下落幅はわずかに縮小したものの、35年連続で下落を記録しました。下落幅は4年連続で縮小傾向にあるものの、変動率は住宅地・商業地ともに近畿2府4県で最も落ち込み、住宅地に至っては全国でも最低の水準となりました。
調査対象と結果の詳細
調査対象は県内23市町の177地点で、1平方メートル当たりの価格で評価されています。前年から継続して調査した171地点のうち、価格が上昇したのは53地点、横ばいは24地点、下落は94地点でした。
住宅地の状況
住宅地の変動率は0.6%減でした。価格が上昇したのは23地点で、和歌山市10地点、上富田町3地点、田辺市と白浜町が各2地点、海南市、紀の川市、岩出市、有田川町、那智勝浦町、串本町が各1地点となっています。利便性に優れ需要が堅調な地点や、津波被害の想定区域外の高台などが中心に上昇しました。
価格上位の5地点は全て和歌山市に集中しており、市中心部の利便性が高い地域が占めています。1位は10年連続で「美園町2丁目80番」の17万8000円で、JR和歌山駅に近く、周辺はマンションやホテル用地としての需要が高いとされています。
商業地の状況
商業地の変動率は0.1%減でした。価格上昇は市街地や幹線道路沿いなどの26地点で、和歌山市23地点、橋本市、岩出市、白浜町が各1地点です。価格上位の5地点も全て和歌山市で、最も高かったのはJR和歌山駅前の中層ビルや小売店などが集積する「友田町5丁目50番」の46万円で、27年連続で県内最高地価を維持しています。
専門家の分析
調査を担当した不動産鑑定士の美濃部元秀氏は、下落の背景について「人口減少や少子高齢化、自然災害の懸念があり、地理的な構造も要因となっている」と指摘しています。和歌山県は地理的に山間部や沿岸部が多く、開発が限定的な地域構造が地価の低迷に影響を与えている可能性があります。
今回の公示地価の結果は、和歌山県の不動産市場が依然として厳しい状況にあることを示しています。一方で、下落幅が縮小している点や、利便性の高い地域では価格上昇が見られることから、地域によっては回復の兆しも見え始めていると言えるでしょう。今後の動向には、人口動態や災害対策、地域開発の進展が大きく関わってくると予想されます。



