自民党「脱ホルムズ」提言案、原油調達多角化とナフサ在庫増を政府に要求
自民「脱ホルムズ」提言案、原油調達多角化とナフサ在庫増要求

自民党が近く政府に提出するエネルギー政策の提言案の詳細が明らかになった。中東情勢の緊迫化を受け、原油輸入の9割以上をホルムズ海峡に依存する現状を「極めて脆弱」と指摘し、「脱ホルムズ」の実現に向けた具体策を盛り込んでいる。

提言案の主な内容

自民党の資源・エネルギー戦略調査会がまとめた提言案では、日本の原油輸入の9割超がホルムズ海峡経由である現状を「わが国の存立がかかる脆弱性」と強調。この脆弱性を可能な限り速やかに解消する必要があるとし、以下の施策を政府に求める方針だ。

調達先の分散化

まず、平時からホルムズ海峡以外の調達ルートでの長期契約を促進する措置を検討するよう求める。具体的には、中東以外の地域からの原油輸入を増やすためのインセンティブや、政府による支援策が想定される。

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海上保険の政府肩代わり

情勢がさらに悪化し、民間の海上保険が適用されない事態に備え、政府が再保険を肩代わりする仕組みの構築も提言する。これにより、重要物資の安定輸送を確保する狙いがある。

製油所の設備改修

国内製油所の設備改修を促し、多様な原油に対応できる体制を整える。現在の製油所は特定の原油に最適化されているため、調達先の変更に伴う柔軟性向上が必要とされる。

ナフサ在庫の積み増し

化学製品の原料となるナフサについて、国家備蓄の積み増しを求める。ナフサはプラスチックや合成繊維など幅広い製品に使われ、供給途絶は産業全体に影響を及ぼす可能性がある。

背景と影響

中東情勢の不安定化に伴い、ホルムズ海峡の封鎖リスクが高まっている。日本は原油の約90%を中東に依存し、その大半がホルムズ海峡を通過する。過去の石油危機の経験から、エネルギー安全保障の強化が急務となっている。

提言案は、政府のエネルギー政策に大きな影響を与えるとみられる。経済産業省や外務省など関係省庁は、提言を踏まえた具体策の策定を進める方針だ。一方で、調達先の多角化には時間とコストがかかるため、実現には長期的な取り組みが必要となる。

自民党は、6月中にも政府に提言書を提出する予定だ。今後の議論の行方が注目される。

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