モンゴルのゲルに似た巨大タンク、JERA碧南火力でアンモニア貯蔵設備建設進む
ゲル似の巨大タンク、JERA碧南火力でアンモニア貯蔵設備建設

モンゴルの草原を思わせる巨大タンク、その正体はアンモニア貯蔵設備

愛知県碧南市にあるJERA碧南火力発電所で、モンゴルの遊牧民が使用する移動式住居「ゲル」に似た形状の巨大タンクの建設が着々と進められている。この設備は、液化アンモニアを貯蔵するためのもので、高さ約40メートル、直径約60メートルという巨大なサイズを誇る。背後に広がる大海原と相まって、遠い異国の風景を連想させる光景となっている。

アンモニア活用でCO2排出削減を目指す

JERAは2026年1月、報道陣向けにアンモニアタンク4基の建設状況を公開した。アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない特性があり、石炭燃料の一部をアンモニアに置き換えることで、CO2排出量の大幅な削減が期待できる。このため、同社は巨額の投資を決定し、2029年度中に石炭燃料の20%をアンモニアで代替することを目標としている。碧南火力4号機での運転開始を目指しており、混燃によるCO2削減効果は約2年前の実証実験で既に確認済みだ。

供給体制と安全対策の強化

アンモニアはマイナス33度に冷却され液化した状態で、海外から専用船で運ばれてくる。船の到着地点からタンクまで約4キロをパイプラインで接続する計画である。供給体制については、米国ルイジアナ州のアンモニア製造拠点から年間約50万トンを調達する見通しが立っており、タンク1基あたり4万トンの貯蔵が可能だ。また、豊田自動織機や日本ガイシの工場向け燃料としての供給も検討されている。

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しかし、アンモニアは無色透明で強い刺激性があり、劇物に指定されているため、安全対策が不可欠である。大量に吸引すると呼吸困難などを引き起こす可能性があることから、JERAは検知器や監視カメラの新設、消防・警察・海上保安庁との連携訓練などを強化している。碧南火力発電所長の坂充貴氏(55)は、「アンモニアを大量に扱うことになるため、これまで以上に安全対策を上積みする」と述べ、慎重な対応を約束した。

将来展望と課題

将来的には、JERAは石炭に依存せず、アンモニアのみでの発電を目指す構想も掲げている。アンモニアはCO2削減に貢献する一方で、取り扱いには細心の注意が必要であり、長所と短所を併せ持つ燃料と言える。地域社会との協力や技術革新を通じて、持続可能なエネルギー供給の実現を模索する動きが注目されている。

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