小笠原村で核のごみ処分場説明会 美しい島のイメージと住民の葛藤
小笠原村で核のごみ処分場説明会 住民の葛藤

「透明感ある美しいイメージを覆す」核のごみ処分場選定で小笠原村に波紋

原子力発電所から発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定を巡り、東京都小笠原村で14日、初の住民説明会が開催された。経済産業省などが南鳥島での文献調査を申し入れたことを受け、村の中心地である父島で昼夜2部制で実施された。

住民の声:反対と理解、複雑な思い交錯

昼の部には147人が参加し、会場では椅子を追加するほどの関心の高さが窺えた。農業を営む森本かおりさん(69)は「なぜ島がごみの処分を引き受けないといけないのか納得できない。文献調査は断ってほしい」と強い口調で訴えた。

長年、村内の森のガイドを務める原田龍次郎さん(73)は「小笠原は観光が中心。核のごみという印象は悪すぎる。南鳥島は離れていても村の島。透明感のある美しいイメージを覆すことには反対だ」と観光地としてのブランド価値への懸念を示した。

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一方、設備工事業の鯰江満さん(78)は「南鳥島は父島から約1200キロ離れている。国民みんなで負担することだから、安全ではないかもしれないが、しょうがないと思う」と一定の理解を示す。公務員の男性(27)は「立地的には向いていると思ったが、環境への配慮についてもっと説明が欲しかった」と述べた。

村議会の見解:賛否割れる中での慎重論

村議会議員の間でも意見は分かれた。7期目のベテラン、杉田一男議員は「離れている国有地なので、文献調査は受け入れていいのではないか」と前置きしつつ、建設環境の厳しさを指摘。「調査によって島の活用範囲が明確になるのは悪くない」と語った。

清水良一議員は「狭くて津波や台風の影響を受けやすい島。核のごみが本当に安全なら原発近くに埋めればいい。それができないなら原発は止めるべきだ」と厳しい見解を示す。宮城ジャイアン議員は「小笠原だけでなく日本全体で考える話。島内を賛成と反対で二分する状況は避けたい」と懸念を表明した。

漁業関係者の警戒感と風評被害への懸念

周辺海域ではメカジキやハマダイなどが水揚げされる小笠原島漁業協同組合の新島信行参事は「核のごみに良いイメージはない。風評被害があってはならない。漁師たちの利益にならないことであれば反対する」と述べ、漁業への影響を強く警戒する姿勢を見せた。

小笠原村は世界自然遺産に登録された美しい自然と観光地としてのイメージが強い地域だけに、核のごみ処分場候補地として浮上したことへの戸惑いと反発は根強い。今後、文献調査の是非を巡り、村長の判断が注目される。

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