核のごみ処分場選定、南鳥島での文献調査を正式に申し入れ
経済産業省は2026年3月3日、原子力発電所から発生する高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定手続きにおいて、第1段階となる文献調査を東京都小笠原村の南鳥島で実施することを正式に申し入れた。申し入れは同日午後、経産省幹部が小笠原村を訪問し、渋谷正昭村長に対して文書を手渡す形で行われた。
村長は村民の意見を重視し慎重な判断を示す
渋谷村長は調査の受け入れについて、「村民や村議会の意見などを踏まえながら判断する」とのコメントを発表した。これにより、南鳥島が調査対象地として選ばれた場合、北海道の寿都町と神恵内村、佐賀県玄海町に続いて4例目の文献調査実施地域となる可能性が浮上した。
3段階に分かれる厳格な選定プロセス
核のごみ最終処分場の選定手続きは、以下の3段階で構成される厳格なプロセスに沿って進められる。
- 文献調査:火山活動や活断層の記録など既存資料を約2年間かけて詳細に分析する。
- 概要調査:実際に地面を掘削するなど現地調査を約4年間実施し、地質条件を精査する。
- 精密調査:地下に試験施設を建設し、約14年間かけて長期安定性などを徹底的に検証する。
今回申し入れられた文献調査は、このプロセスの最初のステップに位置づけられる。調査開始には自治体の同意が不可欠であり、小笠原村の判断が注目される。
地域の意向を尊重しながら進む国家的課題
核のごみ処分は国家的な課題であり、その解決には科学的な検証とともに、地域住民の理解と協力が極めて重要となる。経済産業省は、調査の実施によって地元への影響や安全性について丁寧に説明を重ねるとともに、透明性の高いプロセスを確保する方針を示している。
南鳥島は太平洋上に位置する小笠原諸島の最東端にあり、地理的条件が処分場選定の検討要素の一つとなっている。今後、小笠原村内では村民説明会や議会審議が行われる見込みで、最終的な判断には時間を要する可能性が高い。



