オンラインカジノサイトの通信遮断は私たち全員の問題、総務省が検討
オンラインカジノ遮断は全員の問題 総務省検討

世の中は争いごとに満ちている。今晩の献立からマンションのゴミ出しルール、区画整理に至るまで、互いの権利や利益が衝突し、説得や妥協を経て解決を探る作業は常に困難を伴う。しかしデジタル時代においては、複雑な技術という要素が加わり、合意形成は一層難しくなった。自分が紛争の当事者だと気づかないうちに物事が決まってしまうこともある。

総務省で検討されているカジノサイトの通信遮断(ブロッキング)の可否が、まさにその典型例だ。ブロッキングについて、総務省は将来の導入を否定していない。違法なオンラインカジノ(オンカジ)に興じる人が増えているため、カジノサイトを閲覧できなくするという対策だ。一見すると「カジノで遊ぶ人の問題で、自分には関係ない」と思いがちだが、通信事業者がカジノサイトへの通信を遮断するには、全ユーザーの通信を網羅的に把握する必要がある。つまり、ブロッキングは私たち全員の問題なのである。

最終手段のはずが

検討会は1年かけて議論を重ね、4月に報告書案をまとめた。論点の一つは「他の手段が尽くされたか」という点だ。ブロッキングは憲法が保障する通信の秘密の権利を侵害するものであり、最終手段とすべきである。しかし、多くの手段がまだ手つかずの状態だ。例えば検索エンジン対策。現状では、検索結果にカジノサイトが表示されるのを防ぐ対策が十分に取られていない。また、広告規制や決済手段の遮断など、よりプライバシーへの影響が少ない方法が存在するにもかかわらず、それらが優先的に検討されていない。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

ブロッキングがもたらす影響

ブロッキングを導入すれば、カジノサイトへのアクセスを防げるかもしれないが、その代償は大きい。通信の秘密は民主主義の基盤であり、政府や企業が個人の通信内容を監視できるようになることは、表現の自由やプライバシーに対する深刻な脅威となる。さらに、ブロッキングは技術的に完全ではなく、回避手段が存在するため、効果が限定的である可能性もある。また、誤って合法サイトまでブロックしてしまうリスクも否定できない。

ブロッキングの議論は、私たち一人ひとりが情報社会のルール作りに参加する重要性を示している。自分には関係ないと無関心でいることは、気づかないうちに権利を侵されることにつながりかねない。総務省の検討会は、より慎重な議論と、他の手段の徹底的な検討が求められる。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ