日本原燃が青森県六ケ所村で建設を進めている六ケ所再処理工場について、原子力規制委員会は20日、高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固める設備の性能確認を工場完成後に先送りする同社の方針を妥当と判断した。この設備では過去にトラブルが相次いでおり、完成前の確認を求める声もあったが、規制委は安全性の確認を優先する姿勢を示した。
再処理工場の概要とガラス溶融炉の役割
再処理工場は、全国の原子力発電所から発生する使用済み核燃料を化学処理し、燃料として再利用可能なプルトニウムやウランを抽出する施設である。日本原燃は2026年度中の完成、2027年度の操業開始を目標としており、現在、原子力規制委員会の詳細設計審査を受けている。
再処理工程後に残る放射能レベルが極めて高い廃液は、ガラス原料と混合・加熱して固化し、最終的に地中深くに処分する計画だ。このガラス固化工程を担うのが「ガラス溶融炉」であり、その安定稼働が工場全体の成否を握る重要な設備となっている。
性能確認の先送りと規制委の判断
日本原燃は2025年末、ガラス溶融炉が安定して動作するかどうかを確認する試験について、現行の規則では完成前に実施する必要はないとして、工場完成後に実施する方針を規制委に説明していた。規制委は20日の会合でこの方針を協議し、大きな異論は出ず妥当と判断した。
規制委の山中伸介委員長は会見で、「使用前の検査でまず放射性物質が漏れないことを確認し、その上で詰まりが生じた場合の対応策を明確に定める。この二段構えで確認と監視を行いたい」と述べ、完成前の検査では安全性の確認に重点を置く考えを示した。
過去のトラブルと今後の課題
ガラス溶融炉では約20年前の試運転(アクティブ試験)において、廃液が詰まるなどの問題が発生している。このため、規制委は今後審査する施設の運用ルールの中で、トラブル防止のための作業手順や、トラブル発生時の対応策を詳細に定めるよう求めた。
しかし、実際に運用ルールだけでトラブルを完全に防げるかは不透明だ。工場が「完成」した後に試運転で新たなトラブルが発生し、操業開始に影響を及ぼす可能性も否定できない。また、市民団体からはガラス固化の性能確認を先送りする方針に対する批判も上がっている。
今後のスケジュールと注目点
日本原燃は2026年度中の完成を目指しているが、詳細設計審査や工事の進捗によっては遅れが生じる可能性もある。規制委の審査が続く中、ガラス溶融炉の性能確認がどのタイミングで実施され、どのような結果が出るかが、今後の再処理工場の運営に大きな影響を与えることになる。



