不起訴でも指紋データ削除義務なし 東京地裁が男性の請求棄却
不起訴でも指紋データ削除義務なし 東京地裁が請求棄却

警視庁から任意の取り調べを受けた際に指紋を採取され、その後に不起訴処分(嫌疑不十分)とされた男性が、指紋データの削除を国に求めた訴訟の判決で、東京地裁は14日、男性の請求を棄却しました。和久一彦裁判長は「不起訴処分によってデータ保有の必要性が直ちに消えたわけではない」などと述べました。

事件の背景

男性はネットオークションで落札者とトラブルになり、有印私文書偽造・同行使容疑で被害届を出されました。2018年11月に警視庁石神井署で任意の取り調べを受け、その際に指紋を採取されました。

裁判の争点

裁判で男性側は、指紋の採取を断れることや、警察庁のデータベースに登録されることを警察官が説明せず、採取を事実上強制されたと主張しました。一方、国側は、きちんと説明したと反論していました。

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判決の内容

男性は取り調べの一部始終を録音しており、判決はこの録音などをもとに「警察官が説明をしたとは認められない」と指摘しました。しかし、男性が素直に採取に応じたとして「承諾を得ており適法だ」と判断しました。

警察庁が保管する指紋などのデータは「必要がなくなったときに消去する」と国家公安委員会の規則で定められています。判決はこの規定を踏まえ、指紋を採取した際の容疑だけでなく「他の容疑」の捜査でも有用であれば、保管を続けられると判断しました。データが第三者に漏れる具体的な危険はないとも述べ、男性の請求を退けました。

関連事例

指紋やDNA型などのデータをめぐっては、名古屋高裁が24年、無罪が確定した男性のデータの消去を国に命じています。今回の判決はこれとは異なる判断を示した形です。

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