警視庁は22日、生成人工知能(AI)を使って偽の痴漢画像を作成し、交流サイト(SNS)で拡散したとして、東京都内に住む無職の男(34)を偽計業務妨害の疑いで逮捕した。被害に遭った女性が告訴しており、SNS上では誹謗中傷が相次いでいた。
偽画像の作成と拡散の手口
逮捕された男は、生成AIを悪用し、実際には存在しない痴漢行為の画像を制作。電車内で女性が痴漢されているように見せかけた画像を、複数のSNSアカウントを使って拡散したとみられる。警視庁の調べに対し、男は「痴漢をなくしたかった」と供述しているという。
被害女性への影響
この偽画像により、被害女性の氏名や顔写真などが特定され、SNS上で「痴漢女」などと誹謗中傷する書き込みが殺到。女性は精神的苦痛を受けたとして、2025年12月に警視庁に告訴状を提出していた。告訴後も偽画像の拡散は続き、女性の勤務先にも抗議の電話がかかるなど、社会生活に深刻な影響が出た。
専門家の見解
生成AIによる偽画像・偽動画(ディープフェイク)をめぐっては、悪用事例が国内外で相次いでいる。情報セキュリティーの専門家は「技術の進歩に法規制が追いついていない。被害の拡大を防ぐためには、SNS事業者による迅速な対応や、利用者のリテラシー向上が不可欠」と指摘する。
警視庁の対応
警視庁は、偽画像の作成・拡散を「悪質な行為」と位置づけ、今後も厳正に対処する方針。今回の逮捕を機に、生成AIを悪用した犯罪の抑止につなげたい考えだ。また、SNS上で根拠のない情報を拡散することの危険性について、注意を呼びかけている。
今回の事件は、生成AI技術の進歩が新たな社会問題を引き起こしていることを浮き彫りにした。警視庁は、被害に遭った場合はすぐに相談するよう呼びかけている。



