出入国在留管理庁(入管庁)は22日、不法就労対策を本格的に開始すると発表した。これは高市政権が推進する「不法滞在者ゼロプラン」の一環として位置づけられている。新たな専任部署を設置し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上での不法就労につながるやり取りを監視するサイバーパトロールを導入する。また、在留資格を持たない外国人を雇用する側の摘発にも一層力を入れる方針を示した。
不法残留者の現状と課題
入管庁のデータによると、今年1月時点で、在留資格の期限が切れた後も日本に滞在し続ける不法残留者は約6万8千人に上る。これは前年同時期と比較して約6千人減少しているものの、依然として高い水準にある。入管庁は「多くの不法残留者が生活費を稼ぐ目的で不法就労している」と分析しており、今回の対策はこの実態を踏まえたものだ。
サイバーパトロールの具体的な内容
SNS上では、偽造在留カードの売買や不法就労のあっせんを目的とした投稿が複数の言語で行われているという。サイバーパトロールでは、こうした不法就労を示唆する特定の投稿をインターネット上で自動的に検出するツールを導入する。問題のある投稿が発見された場合、警察との連携を強化し、積極的な摘発を進める計画だ。
雇用者側への対策強化
不法就労を助長する雇用者への対策も強化される。現在、在留資格のない外国人を就労させたり、あっせんしたりした場合、雇用者は不法就労助長罪の対象となる。今後は、こうした雇用者が同じ業種に一定期間従事できないようにするため、各業界のルールを定めた法律の「欠格事由」に不法就労助長罪での摘発歴を追加するよう、関係省庁に法改正を提案する方針だ。これにより、再発防止を図る狙いがある。
キャンペーンと政府の基本方針
入管庁は6月1日から1カ月間、「適正な外国人雇用の推進」をテーマに、企業や関係団体に対して理解と協力を求めるキャンペーンを実施する。政府は1月に策定した外国人政策の基本方針である総合的対応策の中で、「不法就労対策の強力な推進」を掲げており、今回の取り組みはその一環として位置づけられている。



