神奈川県葉山町一色の「県立近代美術館 葉山」で開かれている「内間安瑆・俊子展」(東京新聞など主催)に合わせ、作家の息子夫妻によるトークイベントが16日に開催され、約80人が貴重な話に耳を傾けた。
息子夫妻が語る両親の創作
色鮮やかな木版画で知られる内間安瑆(1921~2000年)と、妻でコラージュ作家の俊子(1918~2000年)の息子で米ニューヨーク在住の弁護士、安樹さん(67)は「父母の初期から晩年まで、多くの作品が一堂に展示されていることが夢のようだ」と感慨深げに語った。
両親の人柄について、安樹さんは「父はしつけにも厳しい無口な人、母はよく話す人だった」と振り返る。制作手法も対称的で、安瑆はアイデアスケッチを綿密に作り、俊子はスケッチなしで制作していたという。
互いを尊重し合った創作姿勢
一方で、安瑆は俊子の好きなバラをモチーフにした作品を残したり、俊子が安瑆が版画で使ったバレンを作品に用いたりと、お互いを尊重し合っていた。
安樹さんの妻、洋子さん(63)は、安瑆が脳卒中で倒れた後、俊子が看病のかたわら「1分でもすき間があれば制作を続けていた」と晩年の様子を紹介。「2人は対等な立場で制作を続けていた」と振り返った。
新たな発見と今後の展望
安樹さんは、今回の作品展準備で、これまで見たことのない母・俊子の作品を目にしたという。「今後、そうしたパステル画などをどこかで展示できれば」と語った。洋子さんも、安瑆が多く残した小さいサイズの版画の展覧会の開催に思いをはせた。
会場には浮世絵版画の技法に基づく「色面織り」を確立した安瑆の多彩な木版画や、コラージュやアッサンブラージュと呼ばれる立体を組み合わせた俊子の作品が並び、二人の独自性のある豊かな創作世界が広がっている。
31日まで。開館は午前9時半~午後5時。入館は午後4時半まで。月曜日休館。(篠ケ瀬祐司)



