全国最年少26歳の活動写真弁士、熊本で無声映画の魅力を語り継ぐ
最年少26歳の活動写真弁士、熊本で無声映画を語り継ぐ (08.03.2026)

全国最年少26歳の活動写真弁士、熊本で無声映画の魅力を語り継ぐ

明治時代から昭和初期にかけて制作された無声映画に、独自の語りを加えて観客を楽しませる「活動写真弁士」。かつては国内に8000人近くいたとされるこの職業は、現在ではわずか20人程度まで減少しており、伝統文化の継承が課題となっています。そんな中、熊本市南区出身で全国最年少の弁士、尾田直彪さん(26歳、東京都練馬区在住)が、故郷での上映会を通じてこの貴重な文化を守り、地方でも鑑賞できる機会を創出しようと奮闘しています。

活弁直送便で熊本の老舗映画館に感動の輪

2026年2月21日、熊本市中央区新市街の老舗映画館・Denkikanで、「活弁直送便」と題した上映会が開催されました。尾田さんは「今からおよそ100年前、映画にまだ音はついておりませんでした。本日はそんな無声映画の世界にご案内差し上げます」と口上を述べ、観客を魅了しました。上映作品は1933年公開の「恋の花咲く 伊豆の踊子」で、各地を渡り歩く踊り子と男子学生の出会いを描いたストーリーです。

尾田さんは、口調や声色、話す速度を巧みに変えながら自作のセリフを付け加え、15人以上の登場人物を演じ分けました。場面に合わせたピアニストによる生演奏も加わり、観客は作品の世界に深く引き込まれ、無声映画の魅力を体感しました。上映後には観客に直接感謝を伝える尾田さんの姿も見られ、温かい交流が生まれています。

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コロナ禍を契機に古き良き日本映画の世界へ

尾田さんは熊本高校卒業後、表現者としての道を歩むため東京学芸大学に進学しました。当初は役者を志して演劇サークルに入り、芝居の学校にも通っていましたが、大学3年の頃にコロナ禍に見舞われ、活動がほとんどできなくなりました。自宅で過ごす時間が増える中、古い日本映画を見る機会が多くなり、こうした作品に携わる仕事への思いを強くしたといいます。

たまたま見に行った無声映画の上映会で、弁士の語りが作品の魅力を高めていることに感動し、自身もこの道を志す決意を固めました。現在は、伝統ある文化を守りながら、地方でも気軽に鑑賞できる機会を増やすため、熊本を中心に活動を続けています。尾田さんの取り組みは、衰退しつつある活動写真弁士の世界に新たな風を吹き込み、若い世代への文化継承の可能性を示しています。

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