「東洋のハリウッド」太秦の未来を担う若者たち プロから学ぶ映画制作体験講習会
太秦で未来の映画人育成 中高生がプロから学ぶ体験講習会

「東洋のハリウッド」太秦の未来を切り拓く若き映画人たち

かつて「東洋のハリウッド」と称され、10を超える映画撮影所が立ち並んだ京都市右京区の「太秦」。近年、映画やドラマの撮影回数が減少するなか、この「映画の町」の輝かしい歴史を次世代へ確実に継承しようと、行政や地元企業、映画監督らが結束し、未来の映画人を育成するための画期的な取り組みを始動させた。

映画制作の現場を体感する貴重な機会

中高生を対象とした映画制作体験講習会が開催され、参加者たちはプロの映画監督や技術者から直接指導を受ける機会を得た。1990年代には東映京都撮影所で毎日のように時代劇の撮影が行われ、撮影者が背中合わせで異なるドラマを撮影していたという逸話が残るほど活気にあふれた太秦だが、宿泊費の高騰や撮影スタッフの減少などにより、京都での撮影機会が減っている現状がある。

柳裕章監督が導く初回講習会

講習会の初回は2月8日に実施され、大雪が降りしきる中、映画のロケ地としても知られる仁和寺の全面協力を得て行われた。映画「事実無根」や人気テレビドラマ「科捜研の女」などを手掛けた映画監督の柳裕章さんが講師を務め、「仁和寺1分動画」の制作に挑戦した。

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参加者たちはスマートフォンを使用して撮影を行い、高度な技術の習得ではなく、「自分でも作品を作れる」という実感を得ることを目的とした創作活動に没頭した。中学生の中島蒼佑さんは「将来へのきっかけがつかめるかも」と期待を込めて応募し、雪景色を背景にした撮影で柳監督から「背中からの撮影で表現してみたら」というアドバイスを受け、「こんな撮り方があるのかと驚いた」と新鮮な感動を語った。

柳監督は28歳で映画界に入り、先輩たちが現場を離れていく中で、「太秦で映画制作を学んだ私が次世代へどうつないでいこうかと考えていた。参加者が映像に興味を持つきっかけになれば」とこの取り組みの意義を強調した。

時代劇の新たな可能性と国際的広がり

柳監督は、米国テレビドラマ「将軍」のエミー賞受賞や、木村拓哉さんが織田信長を演じた映画「レジェンド&バタフライ」が動画配信サービスで海外でも好評である点に言及。「動画配信サービスの広がりで、時代劇は海外にも届くジャンルになった。非日常的な世界観を通して、日本の美意識や文化のルーツを伝えられる点が魅力ではないか」と時代劇の新たな可能性について語った。

殺陣や甲冑着付けで時代劇の魅力を体感

2回目の講習会は2月22日に開催され、参加者たちは侍タイムスリッパーの殺陣指導者から直接指導を受け、撮影用の竹光を使った殺陣を体験。さらに甲冑の着付けにも挑戦し、時代劇制作の現場で使用される小道具や衣装に実際に触れる貴重な経験を積んだ。

この取り組みは、単なる技術習得にとどまらず、太秦という地が培ってきた映画文化の奥深さと、それを未来へつなぐことの重要性を若い世代に実感させることを目指している。行政、地元企業、映画関係者の連携による継続的な支援が、次代の映画人を育む土壌となっていくことが期待される。

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