国内初のシネコン「イオンシネマ海老名」閉館へ 33年の歴史に幕 スター・ウォーズ聖地「エビナナ」
国内初シネコン「イオンシネマ海老名」閉館 33年の歴史に幕

1993年に国内初のシネマコンプレックス(シネコン)として開業した「イオンシネマ海老名」(神奈川県海老名市)が、2026年5月17日で閉館する。映画館の概念を変え、業界をV字回復させるきっかけとなったこの劇場は、「スター・ウォーズの聖地」とも呼ばれてきた。

国内初のシネコン、33年の歴史

劇場は「ワーナー・マイカル・シネマズ海老名」として1993年4月に開業。当時のレセプションには、米ハリウッドから俳優のスティーブン・セガールさんや故・島田陽子さんらが招かれた。施設内に七つのスクリーンや売店があり、総入れ替え制をとる。その目玉が、迫力ある重低音が伝わる音響システム「THX」を取り入れた7番スクリーンだった。

「ここでしか出せない音」

「ここでしか出せない音があり、『唯一無二』の劇場です」。イオンシネマを運営する「イオンエンターテイメント」で、マネジャーや総支配人を務め、現在はイオンに出向中の遠藤一成さん(51)はこう表現する。THXは、スター・ウォーズを制作したルーカスフィルムが認定し、音響だけでなく、映写や外部からの雑音もチェック。同館が日本で初めて一般用として導入した。ワーナーから運営が変わったイオンシネマズでも引き継がれ、現在は海老名を含む全国6劇場にある。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

「大音量なのに不快感ない」

映画好きの遠藤さんは社員として着任した後の1999年、7番スクリーンで見たスター・ウォーズに驚いた。ポッドレースやライトセーバーによる戦闘の際に出る低音が内臓にまで伝わり、劇場全体が揺れていた。「大音量でありながら、耳に不快感がなく、没入感につながり、その場にいるような初めての経験でした」。映画誌だけでなく、オーディオ専門誌にも取り上げられた。ルーカスの「お墨付き」を得た劇場は「スター・ウォーズの聖地」と言われ、7番スクリーンは「エビナナ」と呼ばれるようになった。

閉館の背景と今後の展望

1998年にはピークの約120万人の来場者を記録したが、近年は映画館のデジタル化や大型ショッピングモール内のシネコンとの競合、建物の老朽化などが影響し、閉館が決まった。関係者は「長年愛していただいたことに感謝し、最後まで最高の映画体験を提供したい」と話している。

記事後半では、映画「シン・ゴジラ」の監督、樋口真嗣さんが「エビナナ」への思いや魅力を語っている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ