フランスのファッションブランド「アニエスベー」の創設者アニエス・トゥルブレ氏が収集したグラフィティ作品に焦点を当てた展覧会「agnès b. on aime le graff!! 50年、ストリートとともに」が、東京・渋谷の「PARCO MUSEUM TOKYO」で開催中だ。ブランドの50周年を記念し、フランス・ルーベのラ・ピシーヌ美術館で開かれた後、台湾の台南市美術館に巡回予定。日本では洗練されたカジュアルとして親しまれる同ブランドだが、本展はアニエス氏とアートの深い結びつきを映し出す貴重な機会となっている。
グラフィティの巨匠たちの作品が集結
会場では、巨匠フューチュラ2000や独自のスタイルを確立したクレイグ・コステロ、世界的影響力を持つオベイら著名アーティストの貴重な作品計29点と、そのアートを服に落とし込んだ15ルックが展示されている。色鮮やかなスプレーや躍動感あふれる文字によるアートがテキスタイルと響き合い、ストリートにあふれる人々の喜びや嘆き、ため息を伝えている。
アニエス氏のアートへの共感
企画担当の古宇田リヴォー朱美氏は「欧州のグラフィティは時に政治や社会へのメッセージを込める。アニエスはそれを『誰かの心の叫び』と捉え、1970年代からコレクションを始めた。その人が有名かどうかに関心はなく、表現者への共感の行為だ」と解説。アニエス氏が東京で偶然タクシーの窓から見た壁画を気に入り、無名時代の鈴木ヒラク氏を探し当てたこともあったという。
2000年代以降、ストリートの落書きからキャンバスに表現の場が移り、地位を高めたグラフィティ。「本来の精神を失う懸念もあったが、一瞬で消えてしまう表現を保存し、後世の人々に見てもらえる意義はある」と古宇田氏は語る。フランス本国では一切広告を出さず「人に喜んでほしい」と、直感を頼りに衣服やアートを発信し続けるアニエス氏。アーティストを支援する意識はなく、仲間として共に活動しているという。
その他の注目イベント
「こころときめく☆キラキラ&リボン」展
渋谷区代々木の文化学園服飾博物館では、衣服を彩るリボンやスパングルなどの装飾に焦点を当てた展覧会が6月22日まで開催中。17~20世紀の各地域の衣装を一堂に集め、人々を魅了してきた装飾美の技法をひもとく。注目は、20世紀に活躍した欧州の巨匠デザイナーたちによる1950~60年代の作品。クレージュのイブニングドレスは光沢感のあるサテンの輝きを効果的に取り入れ、胸元とウエストのエレガントなリボンが当時の新しい女性像を上品に映し出す。イブ・サンローランがディオールで手がけたドレスは、構築的なシルエットにロマンチックなリボン装飾が調和。ドレスの数々を通して、戦後欧州モード界のデザインの変遷も楽しめる。きらびやかなガラスビーズや金属糸で精緻な刺しゅうが施されたアジアやアフリカの民族衣装も展示。織りや染めの技法を用いて結び目模様をかわいらしく表現した昭和初期や後期の着物は、作り手たちの芸術性を伝えている。学芸員の金井光代氏は「細部まで技を凝らした装飾の数々は、見る者の心をときめかせ、手仕事への敬意を呼び起こしてくれる。輝きやリボンが、衣服の歴史の中でいかに美しく洗練されてきたかを感じてほしい」と話した。
「美しくなるビアガーデン」メキシカンスタイルのグリル料理
中央区の松屋銀座屋上では、毎年恒例のグリル料理の期間限定イベント「美しくなるビアガーデン」を9月30日まで展開中。約250席の空間は、買い物帰りの家族3世代で楽しめる。今年のテーマは「A Touch of Mexican Spirit(美しく、自由に、陽気に)」。グリル料理にタコスやサボテン、ワカモレといったメキシコならではの食文化を融合。会場には同国を思わせる色彩や装飾を施し、開放感を引き立てた。ドリンクは、メキシコのエッセンスを感じるカクテルのほか、スイカやシトラスを使ったノンアルコール「モクテル」も充実している。
「生活のたのしみ展2026」
新宿区の新宿住友ビル三角広場では、株式会社「ほぼ日」がプロデュースする大型直売フェスティバル「生活のたのしみ展2026」が6月1日から7日まで開催される。同社は、創業者でコピーライターの糸井重里氏が考案した「ほぼ日手帳」の販売などで知られる。「おもしろいことっていっくらでもある!!」をコンセプトに、衣食住にかかわる出展者がさまざまな商品を披露。できたてポテトチップスなどを紹介する「食」、初夏に向けた衣服が楽しめる「ファッション」、暮らしを彩る商品をそろえた「インテリア」など、テーマごとのエリアを設ける。注目は、自分好みの品をあつらえる店舗を集めた「あじさいパープル」エリア。好みの紙を選べるオーダーノートで知られる東京・蔵前の文具店「カキモリ」が初参加、「めがね舎ストライク」では対話を通じて最適な眼鏡を提案する(両店ともオーダー品相談は事前予約制)。履き心地に定評がある「NAOT」の靴は気軽に試着できる。同エリアには、糸井氏が企画監修と全シナリオを手がけた人気ロールプレーイングゲーム「MOTHER」の店(初日のみ事前予約制)も登場する。



