町田市の美術館新設計画、資材高騰と住民反対で見直しへ
町田市の美術館新設計画、資材高騰と住民反対で見直しへ

東京都町田市中心部の芹ケ谷公園で、市が美術館新設を柱とする整備事業を進めている。構想から約15年が経過したが、資材価格の高騰や近隣住民からの反対運動により計画は難航し、市は大幅な見直しを迫られている。

住民説明会で見直し表明

22日に開催された公園整備計画に関する住民向けイベントでは、美術館に収蔵予定の工芸品に触れるワークショップが行われる一方、公園整備のパネル展示も並べられた。小雨の中、訪れた市民から「ゼロベースで計画を立て直すのか」といった質問が相次ぎ、市職員は「計画を見直していく」と応じながら意見に耳を傾けた。

新市長の方針転換

市がこのようなイベントを開いた背景には、今年3月に就任した稲垣康治市長が美術館新設計画の見直しを決断し、「まずは市民の声を聞く」と表明したことがある。稲垣市長は選挙公約でも計画の再検討を掲げており、就任後初の大型事業見直しとなる。

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計画の経緯と混迷

美術館新設の構想は、約15年前にさかのぼる。当初は2020年代半ばの開館を目指していたが、設計段階から資材高騰による予算超過が問題化。さらに、公園の緑地減少や交通渋滞を懸念する住民からの反対運動が激化し、計画は停滞していた。

市は2024年度に基本設計を完了したものの、建設費の高騰により総事業費が当初見積もりの約1.5倍に膨らむ見通しとなり、財政負担が課題となっていた。また、住民団体は「公園の公共性が損なわれる」として、計画の白紙撤回を求める署名活動を展開していた。

今後の見通し

稲垣市長は、計画見直しに当たり、美術館の規模や機能、建設場所の再検討を含む抜本的な見直しを示唆している。市は年内に市民アンケートやワークショップを実施し、新たな計画案を2027年度中に策定する方針だ。

一方、美術館建設に期待する声も根強い。地元経済界からは「文化施設の充実は町田市の魅力向上につながる」と早期実現を求める意見が出ている。市は賛否両論を踏まえ、合意形成を図りながら計画を進める必要に迫られている。

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