震災から15年が経過した今も、避難者たちの心のよりどころとなっている場所がある。郡山市にある復興公営住宅富田団地の集会所では、今月中旬、十数人の人々が卓を囲み、健康マージャンやトランプに興じていた。
このサロンは、避難先と避難元の社会福祉協議会が連携して避難者支援に当たる「社協連携避難者支援センター」が月に2回開催している。運営側の生活支援相談員も常連の顔ぶれに親しみ、自然と輪の中に加わっていた。
常連の一人である男性(89)は、富岡町から避難してきた。約10年前にこの富田団地に入居し、3年前に妻を亡くしてからは、このサロンが重要な交流の場となっている。男性は「ここに来れば仲間がいる。話を聞いてくれる相談員もいて、心強い」と語る。
復興公営住宅富田団地は5階建て3棟からなり、震災後に避難してきた多くの人々が暮らしている。サロンは単なる娯楽の場ではなく、避難者同士の絆を深め、孤独を防ぐ役割も果たしている。参加者たちは談笑しながら、震災当時の記憶や現在の暮らしについて語り合う。
社協連携避難者支援センターの担当者は「震災から時間が経つにつれ、避難者同士のつながりが薄れがちになる。このサロンは定期的に顔を合わせる機会を提供し、孤立を防ぐ大切な場です」と説明する。
サロンでは健康マージャンやトランプのほか、季節のイベントや健康相談も行われている。参加者からは「ここに来ると元気が出る」「相談員が親身になってくれる」と好評だ。震災から15年、復興の歩みは続くが、避難者の心のケアは今もなお重要な課題である。この小さなサロンは、被災者の暮らしを支える灯台のような存在だ。



