将棋の第84期名人戦七番勝負で4連覇を達成した藤井聡太名人(23)=竜王・王位・棋聖・棋王・王将と合わせ六冠=が18日、対局地である大阪府高槻市で一夜明け取材に応じ、心境を語った。藤井名人は17日、挑戦者の糸谷哲郎九段(37)を4勝0敗で破り、前人未到の記録を打ち立てた。
一夜明けの心境
午前7時に起床後、第4局の内容を振り返ったという藤井名人は、「変化や分岐が多い将棋だった。防衛の実感やうれしさは徐々にくるものだと思う」と述べた。3月には王将戦と棋王戦でタイトルを失いかける窮地に立たされたが、いずれも逆転防衛に成功。17日の勝利で公式戦10連勝を達成した。
「2、3月は内容的にあまり良くない状態が続き、不安があった。しかし今はしっかり読んで指すことができるようになったと感じている」と、自身の成長を実感している様子だった。
棋聖戦への抱負
6月4日からは、服部慎一郎七段(26)を挑戦者に迎え、棋聖戦の防衛戦が始まる。藤井名人は「服部七段は独特の力強さ、他の棋士にはない強みがある。棋聖戦は1日制なので決断力が求められる。そうした点を踏まえて準備したい」と意気込みを語った。
印象に残った一手
今シリーズで印象に残った手を問われると、石川県七尾市で行われた第3局の中盤で指した△4五歩(82手目)を挙げた。この手について藤井名人は、「いい手かどうかは難しいが、一手一手時間を使って考えようという意識が指し手につながった。自信があるわけでもなく、はっきり苦しいという感じもしない。どうなるかわからないという気持ちで指した」と振り返った。
対局場の大盤解説会で解説を務めた渡辺明九段(42)は、この手を「将棋史に残る毒まんじゅう」と評している。
藤井名人は取材の最後に、報道陣の求めに応じて「4」のポーズを披露し、笑顔を見せた。



