「これはこの世界の中に入りたいと思った」――。女優の香椎由宇が、映画『メモリィズ』との運命的な出会いを熱く振り返った。当初は「読みづらい台本」と聞かされていたものの、実際には一気に読み進め、早い段階から涙が止まらなくなったという。
トライベッカ映画祭受賞作が日本上陸
ニューヨークのトライベッカ映画祭でフィクション部門最優秀新人長編監督賞を受賞した話題作『メモリィズ』。その公開を記念した舞台挨拶が13日、都内で行われ、主演の柄本佑、イッセー尾形、香椎由宇、そして坂西未郁監督が登壇し、作品への思いを語った。
イッセー尾形、オファー理由にユーモア
柄本演じる雄太の義父・誠役を務めたイッセー尾形は、オファーを受けた理由を問われ「理由は……いまだにない(笑)。台本を読んだ時は『俺じゃなくていいだろう』と思ったんだよね。それは『ここで芝居ができる!』という所が見当たらないから。なぜ俺なのかと思った」とユーモアを交えて回想した。
その上で「撮影を進めていく中で、生きている我々というテーマとリンクしてきた。撮影を終えて帰ると言いようのない寂しさが襲ってきて、また何年か経ってそれがまた“メモリー”の一つになるのだろうと思う不思議な映画でした」と感慨深げに語った。
香椎由宇、台本に涙「この世界に入りたい」
誠の亡き妻・詩織役を演じた香椎由宇は、坂西監督から「読みづらい台本」と言われて脚本を渡されたそうだが、「私は読みづらいとは思わずに一気に読みました。早い時点から涙が止まらなくなって、坂西監督の中に流れている空気感が伝わってきた。これはこの世界の中に入りたいと思った」と坂西監督の世界観にすっかり魅了された様子。
さらに「しかもセリフもないし、こんなオイシイ役はなかなかない」と笑わせつつ、「でも完成作を観たら誠さんの愛情たっぷりで嬉しくて。涙が止まらなかった」と大感動だったことを明かした。ちなみに誠役のイッセー尾形とはこの日が初対面で、「ハグしたいくらいにドキドキしています」と喜ぶと、イッセーは「後でハグしましょう!」と返して会場を笑わせた。
映画『メモリィズ』あらすじ
雄太が九州の田舎町へとやって来たのは、足を骨折した義父が回復するまで身の回りの世話をするためだった。義父が営む昔ながらの写真館の仕事を手伝いながら、東京にいる妻と娘との間で、スマホで撮った映像を交わす。大きな事件は何も起こらないが、日々の些細な出来事と、その記録と記憶の連なりに、家族の人生という長い時間の存在が、静かに、鮮やかに浮かび上がってくる――。



