6月半ば、30度を超えるソウルで早くも夏バテ気味になった。そんな時に、思い出した味があった。
昨冬、ソウルのシンボル「Nソウルタワー」近くにある繁華街の路地裏で偶然見つけて入った「カマソッ・ヨムソヨリ」。店名の意味は「釜炊きヤギ料理」。滋養食の一つ、黒ヤギ料理の人気店だ。
黒ヤギの魅力と人気の秘密
韓国でスタミナ料理といえば、鶏肉に高麗人参やもち米などを詰めたサムゲタンが定番。でも、脂肪分が少なく、たんぱく質やカルシウム、鉄分、ビタミンが豊富な黒ヤギも疲労が回復し、胃腸の働きを助けるとされ、最近、若者を含めじわじわと人気が広がっている。
店を訪れた日、まず運ばれてきたのが、前脚付近の柔らかい肉の部位をゆでて薄くスライスした「スユク」。箸でつまむと肉汁がしたたる。ほおばると、筋繊維が舌の上でほどけ、甘みが一気に広がった。コリッとした食感のある皮の部分とのコントラストもいい。あっさりした味付けだが、かむほどに滋味と野性味も感じられる。
臭みのない理由
一般的にヤギ料理は臭みやクセがあると言われる。今回、取材することを同僚に告げた際も「よりによって、なぜ?」という反応だった。ただ、この店の黒ヤギは獣臭をほとんど感じず、食べやすい。店主の徐正熙(ソジョンヒ)さん(63)に理由を尋ねると、2歳以下の子ヤギを使っているからだという。
もう一つの秘密は、調理場の…(続きは有料記事)



