富山県の黒部峡谷鉄道の終点「欅平駅」(黒部市)と黒部ダム(立山町)を結ぶ新たな観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」が、10月2日の一般開放を前に報道陣に公開された。黒部川沿いのダムや発電所建設用の道を通り、特殊な乗り物を乗り継ぎながら電源開発の歴史をたどることができる。
5つの乗り物で約18キロを結ぶ
キャニオンルートは、関西電力の黒部川第三・第四発電所などの建設に伴い整備された工事用ルート。約18キロをトロッコ電車、竪坑エレベーター、蓄電池機関車、インクライン、専用バスの5つの乗り物を乗り継ぎ、約3時間で結ぶ。標高差は約870メートル。
工事の難所だった「高熱隧道」と呼ばれる高熱の岩盤を通り、剱岳を望める展望台では、本格的な登山をせずに北アルプスの雄大な山岳風景も楽しむことができる。天気が良ければ「裏剱」が見られるタル沢横坑展望台からの眺めも公開された。
見学会の人気受け旅行商品に
現在も関西電力の発電施設の維持管理や工事の物資輸送などに使われており、これまで見学会でしか立ち入ることができなかった。見学会への応募が定員を上回るなど人気が高かったため、富山県が関西電力と協定を結び、旅行商品として販売されることになった。
当初は令和6年のオープンを目指していたが、同年の能登半島地震の影響で延期されていた。欅平駅を出発してから約3時間で黒部ダムに到着するツアーのガイドを務める西島一茂さん(67)は「昭和の経済成長に貢献した電気を日本がどう作り出してきたか。その最前線の歴史を感じられる貴重なルート」と魅力を語った。
1泊2日の4コースを販売
既にツアーとして1泊2日の出発地や到着地が異なる4コースが販売されており、料金は約12万円から約18万円。今年度は11月下旬まで営業する。