鬼頭梓生誕100年記念展、洲本図書館で開催中 建築思想を紹介
鬼頭梓生誕100年記念展、洲本図書館で開催中

建築家・鬼頭梓(あずさ、1926~2008年)の生誕100年を記念した特別展「煉瓦に籠めた想い」が、洲本市立洲本図書館(洲本市塩屋)で開かれている。公共施設を通じて市民に開かれた建築を求め続けた姿を学ぶことができる。22日まで。

赤レンガの図書館を手がけた鬼頭梓の歩み

東京都武蔵野市出身の鬼頭は、東京大で学び、丹下健三らに影響を受け、1950年代に建築設計の仕事を始めた。建築家を目指した理由をのちに「戦争で破壊された生活の根拠地を作りたかった」と語った。書庫が自由に閲覧できない「閉架式」から、民主主義を象徴する「開架式」へと図書館が変化し始めた頃だった。独立後に初めて手がけた東京経済大図書館(1968年完成)では日本建築学会賞を受賞した。

このほか、函館市中央図書館など、全国30か所以上の図書館設計に関わり、パイオニアとして高く評価されている。明治時代に建てられたカネボウの旧紡績工場の赤レンガ壁をそのまま活用した洲本図書館(98年完成)は晩年の作品だ。吹き抜けの天窓から柔らかな日差しが注ぎ込んだり、段差のない平らな床が広がったりする建物には、明るく開かれた空間を意識した鬼頭の哲学が詰まっている。

展示内容と開催概要

特別展は鬼頭に師事した建築家の藤原成暁さん(73)(東京都)が、彼の建築思想を広く知ってもらおうと企画した。館内には洲本図書館をはじめ、国の登録有形文化財に指定されている日野市立中央図書館(同)、同志社女子大今出川図書館(京都府)の写真や平面図を記したパネル約30点、鬼頭にまつわる書籍約30冊などを展示する。

藤原さんは「鬼頭が図書館建築でこだわっていたのは『日常生活に溶け込むような場所』」とし、「彼の思いを少しでも、市民に知ってもらいたい」と話している。

午前10時~午後6時。13と19日は休館。問い合わせは洲本図書館(0799・22・0712)。