金子みすゞと青海島の鯨文化、企画展で命への慈しみの原点紹介
金子みすゞと青海島の鯨文化、企画展で原点紹介

山口県長門市出身の童謡詩人、金子みすゞ(1903~30年)が父の故郷でもある同市の青海島を題材にした作品を紹介する企画展が、同市仙崎の金子みすゞ記念館で開かれている。みすゞにとって、古式捕鯨で捕獲された鯨の死を悼んで弔う島の鯨文化との出会いが、命あるものへの慈しみを感じさせる数々の作品の原点であることを紹介している。

展示内容と作品の背景

「青海島とみすゞの想い出」と題し、島の絶景ポイントをうたった作品を含め、12編を展示。このうち、父・庄之助(1874~1906年)の実家があった島の通地区ゆかりの作品からは、みすゞが幼い頃、父方の親類らに囲まれて過ごし、江戸時代に古式捕鯨で栄えた地区の鯨文化になじんでいたことを推し量ることができるという。

鯨文化を詠んだ作品

その一つが「祭のあくる日」。みすゞが祭りの後も気兼ねなく周囲の人と過ごす様子が描かれていることから、父の親族宅が作品の舞台とみられるという。作中の「裏山」には、地区の鯨文化と縁のある寺があり、父の祖母がこの寺に出家したとされる。

鯨の死を悼む島の鯨文化の一端がうかがえる作品も並ぶ。「鯨法会」では「沖で鯨の子がひとり、/その鳴る鐘をききながら、/死んだ父さま、母さまを、/こいし、こいしと泣いてます」と、まるで人のように親を思慕する子鯨をうたっている。