「星のや奈良監獄」宿泊者限定ツアー「刻のプロムナード」開始、明治の建築美と再生の物語を体感
「星のや奈良監獄」宿泊者限定ツアー開始、建築美と再生の物語

国の重要文化財「旧奈良監獄」を保存・再生したラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」が、館内を巡りながら建築美と再生の物語に迫る宿泊者限定ツアー「刻(とき)のプロムナード」を16日から通年で提供する。明治時代の建築技術や監獄特有の機能美、歴史的建造物をホテルへと生まれ変わらせた過程を、スタッフの案内とともに体感できる。

中央看守所とメインラウンジの見どころ

ツアーでは、歴史を色濃く残す場所と大胆に手を加えた空間の双方を巡る。かつての「中央看守所」は、近代監獄の象徴とされる「ハヴィランド・システム」の全貌を見渡せる場所。歴史的価値の保存を重視しながら、塗装やライティングによって際立たせた空間の特徴をスタッフが解説する。

旧講堂を再生した「メインラウンジ」では、天井を取り払ったことで生まれた高さ9メートルの大空間を公開。美しいトラス構造の梁をはじめ、既存のアーチ窓と新設のパーティション、和洋の要素を取り入れたインテリアなど、明治の西洋建築をテーマにした空間デザインの意図を紐解く。

ダイニングラウンジと文化財再生の考え方

さらに、かつての倉庫を再生した「ダイニングラウンジ」では、壁を切り抜いて設けた大窓や、3つに分かれていた空間を再編した過程を紹介。開口部に組み込まれた耐震補強の鉄骨と歴史あるレンガの対比から、「保存」だけにとどまらない文化財再生の考え方を伝える。

旧奈良監獄は、明治政府が国の威信をかけて建設した「明治五大監獄」の1つ。1908年に誕生し、赤レンガ造りの建築や放射状に配置された「ハヴィランド・システム」など、当時の姿を伝える貴重な遺構として2017年2月に重要文化財に指定された。同年の閉庁まで「奈良少年刑務所」として更生教育の場でもあった。

客室の再生の工夫とツアー概要

星のや奈良監獄では、独居房などをつなげた客室にも、歴史の保存と快適性を両立させた再生の工夫が施されている。漆喰を剥がしてレンガのテクスチャーを生かした空間など、旧監獄の面影を残しながらホテルとしての機能を備えた設計が特徴となっている。

「刻のプロムナード」の概要は以下の通り。提供開始:2026年9月16日、時間:毎日8:00〜(所要時間45分程度)、料金:無料、対象:宿泊者、定員:10人、予約:公式サイト(前日21時までの要予約)。

星のや奈良監獄は、2026年6月25日に開業。コンセプトは「明けの重要文化財」で、旧奈良監獄が誕生した近代国家の黎明期と、西洋文化が花開いた時代の要素を滞在空間に取り入れている。客室数は48室で、チェックインは後3:00、チェックアウトは正午。併設する「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」は日帰り利用も可能となっている。