埼玉県さいたま市大宮区のソニックシティ市民ホールで9月20日、高校1年生の崔博然(さいはくぜん)さん(15)が主催するスピーチイベント「TEDx Omiya Youth」が開かれた。TEDxは世界各地で開催されるスピーチイベントで、崔さんは海外本部と直接交渉し、国内最年少の主催者として実現にこぎつけた。
7人が熱のこもったスピーチ
当日は、地元・大宮などで活躍する弁理士や教師、帰国子女で社会起業をしている高校生など7人が登壇。1人最大18分の持ち時間で、自らの生い立ちや経験談、多様な価値観を大事にすること、将来を担う若者への期待などをテーマにスピーチした。
最後に登壇した投資家の石崎弘典氏は、AIが労働の多くを担う時代において人類が何のために生きるのかというテーマについて、「生活維持のための機能的価値だけでなく、文化や創作、共同体、人間関係、自然、スポーツなどに自ら意味を見いだすことが一層重要になる」と語った。
地域への恩返しの思いから計画
崔さんは、「僕たちは、ずっと地域からいろいろなものを受け取って毎日を送っているが、何も恩返しできていない。果たして何ができるだろう」との思いから、「人と人、地域と地域、アイデアとアイデアを結びつけ、この街に新たな出会いを生み出す架け橋となる場所を作りたい」と考え、TEDxの大宮開催を計画した。
準備には半年近くを費やし、通う学校への交渉や登壇者の調整に悪戦苦闘。それでも、価値観を同じくした友人や知人、両親らの協力を得て、「学校活動の一環ではない独立した形でイベントをやり切れたことは何よりの成果」と満足している。
今後の展望と夢
今後は大宮の地にとどまらず、埼玉の他のエリアや全県を範囲に、次のTEDx開催につなげたい考え。その際、必ずしも崔さんが毎回主催するのではなく、思いを一緒にしてくれる他の人が引き継ぐなど、活動が自走してくれたらとの思いがある。
崔さんは中学時代の恩師からもらった「迷ったら面白そうな方を選べ」という言葉を大事にしており、その一つの成果が「TEDx Omiya Youth」の実現といえる。現時点では具体的なキャリアビジョンはないというが、「後世に名を残し、世界を変えるようなビッグな男になりたい」と夢を語る。
なお、崔さんは県のイノベーション創出拠点「渋沢MIX」の会員でもある。同施設では高校生向けに、ビジネスプランの作成や発表を通じて起業家精神や必要な能力を養う「高校生ビジコンCafe」や、学生向けのイベント「MIX QUEST」などが実施されている。