平和願うエスキーテニス体験会 12日に羽村市で開催
平和願うエスキーテニス体験会 12日に羽村市で

原爆で廃虚となった広島県で、平和への願いを込めて生まれたスポーツ「エスキーテニス」の体験会が12日、羽村市で開かれる。広島や愛知、大阪など11府県に競技組織が設立されているが、都内での認知度は高くない。同市は「スポーツを楽しみつつ、背景にある歴史や平和に思いを寄せてほしい」としている。

原爆で娘を失った実業家が考案

エスキーテニスは、原爆で娘を亡くした広島県の実業家・宇野本信氏(1959年死去)が、「スポーツを通して平和を」との願いを込め、子どもたちが十分な用具がなくても手軽に楽しめるように考案した。

名称は、世界平和を祈念して広島で創設が検討されていた教育科学文化研究所(Education Science and Culture Institute)の頭文字(ESCI)からとった。1948年に、競技の普及や世界平和への貢献などが目的の「日本エスキーテニス連盟」が結成され、同年に「誕生大会」も行われた。

テニスより狭いコートで楽しむ生涯スポーツ

テニスより狭いコート(縦8メートル、横4メートル)で、卓球より大きなラケットを用い、羽根付きのスポンジボールを打ち合う。現在、老若男女が楽しめる生涯スポーツとして親しまれ、同連盟によると、競技人口は約3000人いる。

戦後80年を迎えた昨年、多摩26市の共同事業で実施された「多摩地域平和ユース研修」で、26市に在住する大学・高校生が広島に派遣された。参加した羽村市の高校生は現地で、「スポーツと平和」の研修班の一員としてエスキーテニスを体験した。

研修班の提案を受け、まつりに組み込み

派遣された研修班は競技の歴史などを踏まえ、26市の首長で構成する「平和首長会議東京都多摩地域平和ネットワーク」に対し、「日本エスキーテニス連盟」との連携を提案した。これを受け、羽村市は12日に「S&Dスポーツアリーナ羽村」で開かれる「市民スポーツまつり」のプログラムの一つに、エスキーテニスを組み込んだ。

イベント当日は、同連盟メンバーや競技考案者の玄孫(やしゃご)にあたる高校3年生、宇野本愛生さん(18)が指導にあたり、研修班も運営に関わる。来春、上京する予定という愛生さんは、「ひいひいおじいちゃんが平和への思いを込めてつくった競技を広めたい。エスキーテニスを楽しんでもらい、東京にも拠点を作ってほしいです」と話している。

体験会は午前9時半~午後2時で参加は無料。