青森の技煌めく、国スポのトーチやメダル 県工芸品や縄文モチーフ
青森の技煌めく、国スポのトーチやメダル 県工芸品や縄文モチーフ

10日に開幕する「青の煌めきあおもり国スポ」では、県内の技術や素材を生かした物品が大会に花を添える。県からデザイン業務を請け負い、コンペでデザイナーを選定した「あおもりデザイン協会」は「青森らしいデザインのものができた」と自信を見せている。

トーチとメダルに青森の伝統工芸

国民スポーツ大会では、五輪の聖火にあたる「炬火」がともされる。その炬火を運ぶトーチやメダルは、青森市の広告会社「協同」の工藤雅敏さん(59)がデザインした。普段はポスターやパンフレットの作成のほか、ホテルの客室などの空間デザインを担当する工藤さん。トーチは「専門外」だったが、貴重な機会を逃すまいと協会内のコンペに応募し、採用された。

「大会には県内外から多くの人が来る。一目で青森のものだとわかるようにした」と工藤さんは言う。トーチの中央部分には七々子塗やこぎん刺し、南部裂織など、県を代表する10種類の工芸品をあしらい、縁取り部分には縄文土器の模様も取り入れた。

青いガラスが生む煌めき

最大の特徴である素材の決め手は、大会名にもなっている「青の煌めき」だ。大会を照らす炬火の煌めきをどう表現するかを考え、青いガラスの使用に思い至ったという。できあがった高さ約80センチのトーチは耐熱ガラス製で、あたたかい炎の煌めきがガラスから透けて見える。

製作した青森市の「北洋硝子」は、ガラスの伝統工芸品「津軽びいどろ」の食器などを製造している。中川洋之常務(65)は「大きなサイズになるようガラスを吹いたり、壊さないようきれいに穴を開けたり、津軽びいどろの技法を生かせた。『青森には技術力がある会社がある』と広く知ってもらう機会にもなれば」と話した。

炬火台や参加章にも青森らしさ

青森らしさは他の品々にも色濃く出ている。炬火が点火される「炬火台」のデザインは青森市のグラフィックデザイナー、須藤一幸さん(63)が手がけた。6枚のステンレス板が外側に広がるデザインは、三内丸山遺跡にある巨大な6本柱の「大型掘立柱建物」に着想を得た。「6本の柱が未来に向かって広がっていって、それに炎が反射して見えるようにしたかった」と狙いを語る。

このほか、参加章は生産量日本一を誇るリンゴをモチーフにした。素材には廃棄されるリンゴを使った合成皮革が使用されている。金、銀、銅のメダルには縄文土器の模様があしらわれている。あおもりデザイン協会の森内忠良会長は「青森という場所のDNAに触れて『これが青森だ』というのが感じてもらえればうれしい」と話している。