元SE漁師がICTで革新 水中ドローン導入と巻き貝電子取引で新漁業モデル確立へ
元SE漁師がICT革新 水中ドローンと電子取引で新漁業

元システムエンジニアが漁業にICT革命 宮崎・日向市で新たな挑戦

宮崎県日向市細島地区で漁師として活躍する高田一人さん(46)は、かつて都内のIT企業でシステムエンジニアとして勤務していた経歴の持ち主です。2011年に結婚を機にUターンした高田さんは、故郷の港で漁船の減少や後継者不足といった課題を目の当たりにし、「身につけた情報通信技術で漁業を活性化できないか」と決意しました。

ICT技術を駆使したスマート漁業への転身

高田さんは知人の水産会社で漁師としての基礎を学んだ後、2021年に独立。操業時間が短く新規就業者にも適した「小型底定置網漁」を開始しました。この漁法では、網全体を海底に沈める新たな手法を採用しています。

さらに画期的なのは、水中ドローンの導入による漁業のICT化です。水中ドローンを使用することで、網の状態をリアルタイムで確認できるようになり、効率的な漁獲が可能になりました。これにより、従来の漁業では難しかった精密な管理が実現しています。

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地域資源を最大限に活かす多角的な取り組み

高田さんの活動は漁業だけにとどまりません。近海の藻場再生を目指して駆除したムラサキウニを陸上で畜養する実証実験にも挑戦。また、市が後押しする「ワーケーション推進会議」の一員として、定置網漁の体験イベントを企画し、交流人口の増加にも貢献しています。

特に注目すべきは、普段は市場に流通しない巻き貝の電子商取引を先駆けて導入した点です。これにより、地域の未利用資源に新たな価値を見出し、収入源の多様化を図っています。

「海業」の成功モデルを目指して

高田さんが理想とするのは、地元で複数の収入源を確保する「海業(うみぎょう)」の成功モデルの確立です。「海に関わることは何でも試す」という姿勢で、ICT技術と伝統的な漁業を融合させた新たなビジネスモデルを構築中です。

今年度の九州農政局「ディスカバー農山漁村の宝」に宮崎県内で唯一選定された高田さんは、「選定を励みに地元の資源や魅力をもっと広めたい」と意気込んでいます。元システムエンジニアならではの視点で、漁業の未来を切り開く挑戦は今後も続きます。

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