鳥インフルで卵価格高騰続く、イラン情勢悪化で更なるリスクも
鳥インフルで卵高騰、イラン情勢悪化でリスク拡大

鳥インフルで卵価格高騰が長期化、かつての「物価の優等生」が揺らぐ

昨年末、スーパーでは卵1パックが税込みで300円を超える価格で販売されていた。60年以上にわたりほとんど価格が変わらず、「物価の優等生」と称えられてきた卵の価格高騰が収まる気配を見せていない。背景には鳥インフルエンザの猛威があり、養鶏農家からは「対策にも限界がある」との悲痛な声が上がっている。さらに、イラン情勢の悪化が新たなリスク要因として懸念されている。

北海道での鳥インフル感染、大規模な殺処分が実施される

2025年10月21日朝、北海道白老町の養鶏場で数十羽のニワトリが死亡しているのが発見された。代表の川上一弘さん(66)は「可能な限りの対策を講じていたが、まさか鳥インフルエンザに感染するとは思わなかった」と当時を振り返る。この事例は国内養鶏場における今季初の感染確認となり、同じ鶏舎にいた約45.9万羽が殺処分された。3月時点で生産量は3分の1程度まで回復したものの、完全な回復には1年以上を要すると見込まれている。

同農場では4年前にも鳥インフルエンザの感染が確認され、約52万羽が殺処分されている。その経験から、外気を取り込む空調設備へのフィルター設置、レーザー光を用いた野鳥の追い払い、野生動物の侵入を防ぐための高さ約3メートルの鉄板壁の設置など、防疫対策と消毒を強化してきた。しかし、川上さんは「多額の投資をしても感染を完全に防ぐことはできない。ハード面の対策にも限界があり、リスクだけが高まっている状況だ」と苦悩を語る。

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養鶏農家の大規模化と潜在リスク、イラン情勢悪化の影響も

国内の養鶏農家は生産効率を高めるために大規模化を進めてきたが、それに伴い鳥インフルエンザなどの疾病リスクも増大している。一つの農場で数十万羽を飼育するケースが増え、感染が発生した際の被害が甚大化しやすい構造となっているのだ。

さらに、国際情勢の変化も卵価格に影を落としている。イラン情勢の悪化により、飼料やエネルギー価格の上昇が懸念されており、これが卵の生産コストを押し上げる可能性がある。専門家の間では、イランを巡る緊張が高まれば、卵価格の更なる高騰を招くリスクがあると指摘されている。

かつては安定供給の代名詞であった卵が、今や鳥インフルエンザと地政学的リスクの二重苦に直面している。消費者にとっては家計を圧迫する要因となり、農家にとっては経営存続の危機に直結する深刻な問題となっている。今後の動向から目が離せない状況が続きそうだ。

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